H-6587ディスク装置はH-6586ディスクの後継機として開発され,基本方式は踏襲された.2.92GBの記憶容量を持ち,当時世界最大容量であった.またディスク回転数は長く続いた3,600rpmから4,260rpmと高速化され,それに伴い転送速度も4.2メガバイト/秒と高速処理への道を開いた.
本装置は当初より2.92GBの容量を持っていたため,後に発売されたIBM3390-3が発表された時点では,約3%容量制限し,PCM用として互換性をキープした.この為,互換追随期間は僅か数ヶ月であった.
これにより,日立のPCMビジネスは世界の注目を集め,技術的にも先行性をアピールした.
市場の歓迎を受け,生産増強/WW展開の為にフランスのオルレアンに工場を新設したのも,この時期であった.
また,本装置で使用された塗布型ディスクはこの世代で最後の製品となり,後はより高密度記録に好適なスパッタディスクに道を譲ることとなった.
完成時期 | 1990年10月 |
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装置当り記憶容量 | 22.7 GB/DKU |
スピンドル当り記憶容量 | 2.92 GB |
BPI | 29KBPI |
TPI | 1.9KTPI |
面記録密度 | 55 Mbit/inch² |
円板サイズ/枚数 | 9.5インチ/9枚 |
ヘッドタイプ/アクチュエータ当り本数 | 軽荷重薄膜ヘッド/30本+1本(サーボ) |
平均アクセス時間 | 12.5 ms |
ディスク回転数 | 4,260rpm |
データ転送速度 | 4.2 MB/s |