【富士通】 M2351 磁気ディスク装置

富士通は,世界で初めて10.5インチの媒体を使用したFACOM 6421磁気ディスク装置(1981年完成)をベースとした製品(Eagleシリーズと呼ばれた)により1981年に10.5インチディスクOEM市場に参入した.最初の製品として,474.2メガバイトの記憶容量を持つM2351A (Eagle-1)を1982年3月に完成させた.当時,業界の標準ディスクサイズは14インチであったが,他社に先駆けて10.5インチの小径媒体を採用するとともに新発想のディスクエンクロージャ構造を採用したEagleシリーズにより,高性能・大容量磁気ディスクのOEM市場で高い地位を築いた.

1985年4月には,容量を689.8メガバイトに拡大したEagle-1.5 (M2361A)を完成した.後に,4または5チャンネル同時に記録再生可能なパラレル転送磁気ディスク装置M2350,M2360も開発され,スーパーコンピュータの外部記録装置やイメージ処理用として好評を博した.

しかしながら,8インチ磁気ディスクの大容量化および高性能化に伴い,10.5インチのOEMディスク市場は8インチディスクに置き換わっていった.

OEM向け10.5インチ磁気ディスク装置 主要機種諸元
  M2351A(Eagle-1) M2361A(Eagle-1.5)
完成時期 1982年3月 1985年4月
記憶容量 474.2 MB 689.8 MB
ポジショニング時間 18 ms
回転数 4,000 rpm
平均回転待ち時間 7.5 ms
データ転送速度 1.859 MB/s 2.701 MB/s
実装形態 19インチラックマウント型
接続インターフェース SMD

 
M2351A磁気ディスク装置M2351A用ディスクエンクロージャ(Disk Enclosure)