FACOM 6425A4, B4, C4は,3メガバイト毎秒の高速データ転送を初めて実現した富士通の高速・大容量磁気ディスク装置で,1983年9月に完成した.本磁気ディスク装置は,FACOM 6421と同じ10.5インチディスクを使用し,記録密度の向上により記憶容量を1.4倍に拡大し,630メガバイトの大容量を実現した.この容量拡大のためにトラック方向の記録密度を1.6倍に高めた結果,データ転送速度は,3メガバイト毎秒となった.従来,チャネルとI/Oを接続する標準I/Oインターフェースの最大データ転送速度は,1.5メガバイト毎秒(1バイト幅の場合)が上限であったが,データストリーミングフィーチャ(Data Streaming Feature)の採用により3メガバイト毎秒に拡大された.これにより磁気ディスク装置から磁気ディスク制御装置およびチャネル装置を介して本体の主記憶装置まで全て3メガバイト毎秒の高速転送が初めて実現された.
FACOM 6425には,2台のDE(Disk Enclosure)と磁気ディスク制御装置との接続アダプタを1台および2台搭載したA4形,C4形と接続アダプタを搭載しないB4形の3種類があった.
1986年には,記憶容量をFACOM 6425A4/B4/C4の2倍に拡大したFACOM 6425M4/N4磁気ディスク装置が完成し,1988年には3倍に拡大したFACOM 6425HA4/HB4が完成した.これらの装置の1トラック当りの記憶容量は,新装置を導入した時にデータの移行を容易にするため,全て同一の47,476バイトとした.
1990年には,8.25インチの小径ディスクを採用し,従来機種に比べ設置床面積では1/3.6,消費電力では40%を実現したF6427Hが完成した.本装置では,新開発のディスク制御装置の機能と連携して高性能,高信頼かつコストパフォーマンスの改善を実現した. また,本装置は,世界最大の装置当り30ギガバイトの大容量を実現した.
機種 | F6425A4 /B4/C4 | F6425M4 /N4 | F6425HA4 /HB4 | F6427HA /HB | |
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完成時期 | 1983年9月 | 1986年8月 | 1988年12月 | 1990年4月 | |
ディスク | 記憶容量 | 630 MB | 1,260 MB | 1,890 MB | |
ディスクサイズ | 10.5 inch | 8.25 inch | |||
容量/トラック | 47,476 byte | ||||
ポジショニング時間 | 15 ms | 17 ms | 15 ms | 12 ms | |
回転数 | 3,600 rpm | 4,340 rpm | |||
平均回転待ち時間 | 8.3 ms | 6.91 ms | |||
データ転送速度 | 3.0 MB/s | 4.5 MB/s | |||
装置 | 搭載DE数 | 4 | 4/8/12/16 | ||
記憶容量 | 2.52 GB | 5.04 GB | 7.56 GB |
7.56 GB (4DE)〜30.24 GB(16DE) |
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デバイス クロスコール |
F6425C4:2パスクロスコール装備 | 2パスクロスコール標準装備 |
2パスクロスコール標準装備 オプションで4パスクロスコール可 |
4パスクロスコール標準 | |
制御装置 | F1774C | F1774C/F1700 | F1700 | F1700 |