- (1) NEAC-2206
- NEAC-2203の後継機として1962年3月に1号機が北海道大学に納入された.同機はコアメモリを内部記憶として使用するとともに,入出力,補助記憶装置の制御にも多用し,これら周辺装置を簡単化するとともにデータ伝送能力の向上,フォーマット制御の電子化を実現した.論理回路素子に従来の再生増幅器の他に無遅延増幅器,非論理単純増幅器を開発し,並列演算,高速化に必要な複雑な論理回路設計を可能とし,命令語を1語1命令として複合命令,修飾指定の多用によるプログラムステップ数の縮小,さらにNEAC-2203で開発した割り込み機能を発展させ,多重プログラミング,リアルタイムの処理機能を充実した.
- (2) NEAC-2230
- NEAC-2203を使用しており,陳腐化した同機のグレードアップを望みつつも,プログラム資産の継承を求めるユーザに応える製品として1962年2月に発表された.NEAC-2203の後継機であるNEAC-2206で開発されたコアメモリ,多重プログラミング,電子式周辺制御装置,オンライン機能などをできる限り採用しながら,NEAC-2203の命令コードを踏襲している.内部記憶容量は2,400語でアクセスタイムは5μs,補助記憶としての磁気ドラム(10,000語)を直接3台まで接続できた.演算速度は,加減算100μs,乗算3,000μs,除算5,900μsであった.1962年11月の第一回国産電子計算機ショーにNEAC-2206とともに出展された.