【日本電気】 NEAC-2205

1961年4月,日本電気はトランジスタ式計算機NEAC-2205を発表した.同機は,NEAC-2203の技術を基礎として作られたもので,小型化・低廉化を指向したものである.特に中小規模の事務用のデータ処理に適するように設計された汎用のディジタル式計算機である.主記憶に磁気ドラムを使っており,容量は3,000語である.アクセスタイムは12msと大きいが,これを補うためにループ記憶トラックを設けている.回路には,トランジスタとダイオードが全面的に採用されており,低消費電力化,小型化,保守の簡易化に役立っている.主なユーザとして中小企業を想定していたが,当時の中小企業にはコンピュータを導入する力はいまだなく,あまり注目を浴びることはなかった.


  
NEAC-2205