OKIオペレーティング・システムの歴史

OPC-1やOKITAC5080など,1959年から1960年にかけてのコンピュータにはオペレーティングシステムやモニタと呼ばれるコンピュータ自身を制御するソフトウェアは存在していなかった.ソフトウェアとしては,機械語表記のプログラムをパンチカードや紙テープから入力して実行する変換プログラム程度であった.

1961年OKITAC5090の完成により,業務利用のためにアセンブラ言語,FORTRAN,ALGOLなどの言語処理プログラムが開発され,パンチカードや紙テープに記述されたソースプログラムを入力し,オブジェクトプログラムとして紙テープに出力していた.このオブジェクトプログラムを再度,他の関数などのサブルーチンと共に入力し,実行するものであった.OKITAC5090 C型からは磁気テープ装置が接続できるようになり,磁気テープモニタが開発され,これらの実行が自動的に制御されるようになった.

1963年に開発されたOKITAC5090Hは従来のOKITAC5090シリーズA~D型,M型とアーキテクチャが大きく異なり,タイムシェアリングシステムを実現したものであった.

その後,沖電気は米国で第二位のシェアを持つスペリーランド社と提携し,1953年に合弁会社として沖ユニバック社を設立した.この提携により,沖電気は汎用大型コンピュータの開発から撤退し,小型コンピュータ及び周辺・端末機器の開発に専念していくことになった.