【三菱電機】 GOS/EA

三菱電機が1990年に発表した汎用コンピュータMELCOM EXシリーズの最上位機種EX860II,EX870II,EX880II用のオペレーティングシステムである.従来のGOS/VSの仮想記憶領域を拡張することにより,オンラインシステムにおけるサポート端末数の増大とシステム性能の向上を実現した.
GOS/EAでは,GOS/VSと同様に多重仮想記憶方式を採用しているが,その仮想記憶領域を16MBから256MBに拡張した.16MB以下の仮想記憶領域は,GOS/VSと互換性を持たせて,システムの共通領域と空間毎の固有領域とで構成しており,従来のプログラムがそのまま動作可能である.一方,16MBを超える領域は,仮想記憶アクセス法(VSAM),仮想通信アクセス法(VTAM),オンライン・データベース管理システム(CIMS IIおよびEDMS II)などが,データ領域として動的に獲得と解放が行えるようになっている.また,拡張システム共通領域を管理する制御プログラム用のテーブル類も,拡張システム共通領域に置かれている.
VSAMでは,グローバル・リソース共用(GSR)機能において共用するバッファや制御ブロックなどのリソースを拡張システム領域におくことにより,規模の制限を緩和した.また,バッファ数の増加に対して,バッファを最大16個のプールに分割できるようにし,バッファ・サーチのオーバーヘッドを抑えている.
VTAMにおいても,制御テーブルの一部を拡張システム共通領域に移すことにより,サポート可能な論理端末台数が増大した.
CIMS IIでは,上記の強化機能を活用し,さらに,業務プログラム・ロジック部分を拡張システム共通領域に置いて共有させたり,検索専用のファイルをメモリファイルとして拡張システム共通領域に置いたりした結果,端末数や単純問合せモデルでの処理能力が共に2倍以上となった.
EDMS IIでは,処理の管理情報やデータベースの入出力バッファを拡張システム共通領域に置き,また,これにより業務プログラムを複数の空間に分散可能としたことにより,規模の拡大と,データベース処理性能を向上させた.