■VOS1/FS
VOS1/FSはVOS1/ES2の上位移行システムとして開発したもので,MP5600/MP5400他をサポートし,またVOS1/ES2の簡易性,機敏性といった長所を受け継いで,さらにより広汎な業務に適用できるような拡張機能を有していた.図1にVOS1/FSの目的を示す.
VOS1/FSはVOS1/ES2の上位移行システムとして開発したもので,MP5600/MP5400他をサポートし,またVOS1/ES2の簡易性,機敏性といった長所を受け継いで,さらにより広汎な業務に適用できるような拡張機能を有していた.図1にVOS1/FSの目的を示す.
VOS1/FSは1995年9月発表,同年12月から出荷を開始した.
以下に,VOS1/FSシステムの特長的な機能のいくつかを示す.
1.RDBパラレル制御機能
MP5400/MP5600などのMパラレルサーバのオプション機構であるRDBパラレル機構を搭載すると,アプリケーションやデータ資産を変更しないで,命令プロセサと並行してリレーショナルデータベース(RDB)処理が実行できた.これにより,命令プロセサの負荷が軽減され,RDBアクセスのトータルスループットが向上した.図2にRDBパラレル機構による処理の流れを示す.
2.マイクロメインフレーム結合
基幹業務データベースの必要な部分だけをパソコンに取出し,パソコン側で簡単に帳票形式の変更,グラフ化,データの追加などを行う利用形態,マイクロメインフレーム結合(Form-MMC)機能を有していた.図3にForm-MMC利用により,帳票配布がどのように変わるかを示す.
3.システムの運用,管理の自動化,省力化
電源投入から電源切断までの自動化・省力化を支援するソフトウェア,ハードウェアにより,複雑なコンソールオペレーションやスケジューリング作業,時間外労働などを減少させ,結果としてシステムのコストパフォーマンスの引上げを可能としていた.
図-4にシステムの自動化運転のようすを示す.
4.オープンジョブウェイ
VOS1/FSでは,PC, WSとホストとのイベント送受信機能およびこれを利用したジョブ連携機能を提供していた.イベント送受信機能を利用したユーザプログラムを作成することでVOS1/FS, VOSK/FS, PC, WS間での連携が可能であった.ジョブ連携機能では,PC上でのGUI操作により,VOS1/FSのジョブ実行,ジョブネット定義,ジョブネット実行が可能であった.図-5に概略図を示す.
「部門コンピュータ向けOS」VOSKの後継OSであるVOSK/FSは,MP5400他をサポートし,データベースサーバ,コンピューティングサーバ,およびマネージメントサーバとしての特長を備えたミッドレンジ・トータルマネージメントサーバとして開発した.図-6にVOSK/FSシステムの特長を示す.
VOSK/FSは1995年9月発表,同年12月から出荷を開始した.
以下に,ミッドレンジ・トータルマネージメントサーバとしてのVOSK/FSシステムの特長のいくつかを示す.
1.RDBパラレル制御機能
MP5400はオプション機構として,命令プロセサと並行してリレーショナルデータベース(RDB)処理が行えるRDBパラレル機構を有していた.VOSK/FSは,業務処理プログラムからのRDB処理要求を自動的に専用プロセサ(RDBパラレル機構)に振り分けることにより,他のバッチ処理やトランザクション処理とRDB処理の並行実行を可能とした.これにより,基幹業務のトータルスループット向上を実現した.
2.オープンジョブウェイ支援
オープンジョブウェイ支援はパソコンからVOSK/FSの操作を可能とするもので,ファイル操作・定義機能,ジョブネット定義機能,イベント送受信機能があった.
(1)ファイル操作・ 定義機能
パソコンのGUI操作を利用して,ホストのファイル操作・定義ができた.ファイル操作としては,ファイルやノードの表示,削除,複写,名称変更などが可能であった.ファイル定義としては,物理ファイル(RDB編成,順編成)の定義,論理ファイルの定義,定義情報の表示などができた.図-8にファイル操作・定義機能の概要を示す.
(2)ジョブネット定義機能
パソコン側からVOSK/FS上のジョブネットの定義・登録が可能であった.パソコン側で定義したジョブネットをVOSK/FSに登録しておくと,自動ジョブスケジュール機能のジョブネットとしてホスト側で実行された.図-9にその概要を示す.
パソコン上ではジョブネット定義にGUI環境エディタを利用でき,エディタ上にジョブを配置して,配置したジョブ間に矢印をつけて実行順序を定義した.ジョブネットの実行開始日付や時刻の定義,実行結果の表示もできた.
(3)イベント送受信機能
VOSK/FSと他システムとの間のイベント送受信を管理するCOBOLサブルーチンを提供しており,ユーザ作成の業務プログラムからこのCOBOLサブルーチンを呼び出すことでイベント送受信を実現した.図-10にその概要を示す.
VOS1/FSのマニュアルの表紙 | VOS1/FSのマニュアルの記述例 | VOSK/FSのマニュアルの表紙 |
VOSK/FSのマニュアルの記述例 |
All Rights Reserved, Copyright (C) Information Processing Society of Japan