【日立】 VOS0/ES

VOS0/ESは,HITAC L-330の後継および上位移行システムであるHITAC L-450/470用OSで,VOS0の後継OSにあたる.VOS0/ESはVOS0と比べて最大16メガバイトの仮想記憶のサポートなど,基本システムに機能改善を行った.さらにVOS0で採用した対話機能に関して,メニューガイダンスを利用した対話型ジョブの実行や日本語メッセージのサポートによるマンマシンインタフェースの大幅な改善を行った.

VOS0/ESは1983年1月発表,同年10月から出荷を開始した.

VOS0/ESは企業内の部門ごとや,工場・営業所などの拠点ごとに分散配置して,部門ごとのオフィス業務の効率化,開発・運用コストの低減,他システムとの有機的結合を図ることをねらいとして開発した.
図-1に小型システムに対するユーザニーズとVOS0/ESのねらいを示す.


図-1「VOS1/ESの目的」

図-1「VOS1/ESの目的」

 VOS0/ESは以下のような特長を持っていた.

特長 説明
強力なOA機能
  • 文書,グラフ,画像など多様な情報処理への対応
  • オフィス文書管理システムにより,複数ユーザでの同一文書の参照,WS側での加工,他のユーザへの配布など分散型の処理が可能
  • プログラムを作らずにグラフ処理ができるビジネスグラフ処理
  • 手書き書類・地図など画像データのまま処理でき,画像データの入った入出力帳票作成可能
リレーショナル型データベース WSからのデータベースの定義・作成・更新・検索が容易に実行可能
使いやすい対話処理機能
  • メニューガイダンスによる業務の実行
  • ジョブ実行指令や制御情報を含むプロンプティング画面を対話形式で作成可能
プログラム作成が容易
  • 事務処理全分野に適用できるNHELP系言語による少人数システム開発を実現
  • 対話形式による効率よいプログラム作成
多様な分散ネットワーク処理
  • VOS0/ESをVOS1/ESまたはVOS3のHNA端末として接続するネットワークを構築
容易で柔軟性に富んだシステム運用
  • 自動運転機構AOP,自動IPL機能および自動モニタAOMを利用して運用の自動化・省力化を実現

 図-2にVOS0/ESのプログラム体系を示す.


図-2「VOS0/ESプログラム体系」

図-2「VOS0/ESプログラム体系」