【日立】 VOS1/ES

VOS1/ESはVOS1-SおよびVOS1の上位移行システムとして開発した中小型計算機システムの汎用OSであった.
VOS1/ESではこれらシステムの簡易性,機動性といった長所を受け継ぎ,より広汎な業務に適用できるよう,マイクロメインフレーム結合,マルチメディア処理等の機能を強化した.
図-1にVOS1/ESの目的を示す.


図-1「VOS1/ESの目的」

図-1「VOS1/ESの目的」

VOS1/ESは1982年5月発表,1983年10月から出荷を開始した.
VOS1/ESには以下のような特長があった.

特長 説明
マイクロメインフレーム結合を基調とした統合OA 基幹業務データベースの必要な部分だけをワークステーションに取り出し,帳票形式の変更,グラフ化,データの追加等を実行可能
マルチメディア処理 数字,カナ,漢字,グラフ,文書,図形などが混在したオフィス情報の一元的処理が可能
ソフトウェアの生産性の向上 システム開発支援EAGLEにより,生産性,信頼性,保守性が大幅に向上したシステム開発を実現
使いやすいリレーショナルデータベース
  • リレーショナルデータベースRDB1によってエンドユーザが直接データベースを利用可
  • エンドユーザ言語ACEによるプログラムレスでのデータベース検索が可能
多様化するネットワークへの対応
  • ニューメディア,VAN,企業間通信が可能
  • 分散ネットワークシステムを実現
強力なDB/DC(データベース/データコミュニケーション)機能
  • DCCM3による汎用DB/DCシステム
  • CUTE2による簡易DB/DCシステム
システム運用,管理の自動化・省力化 電源投入から電源切断に至るまでの自動化・省力化を支援するソフトウェア/ハードウェア製品を体系化したHISCOPEを用意
これにより,複雑なコンソールオペレーションやスケジューリング作業などが減少
使いやすいワークステーション ワークステーションを利用して一連の業務処理(プラグラム作成,ジョブ実行など)をすべて対話形式で行える対話型制御システムES/IEXを用意

 
VOS1/ESのマニュアルの表紙VOS1/ESのマニュアルの記述例