MP5800プロセッサは,M-880の後継機として,1995年4月に発表され,1995年10月に出荷された.超高速バイポーラECLと高集積CMOS回路を融合した,超高速・高集積・低電力のLSI(ACE (Advanced CMOS-ECL))が新規に開発され,120,000ゲート・遅延時間40psの論理LSIや最大2.3メガビット・アクセス時間1nsの内蔵RAM論理LSIが実現された.それらを高密度モジュールに搭載することにより,命令プロセッサがM-880の約1/10の1モジュールで実現された.従来機比で約2倍のプロセッサ性能を持ち,それが最大8台まで搭載可能である.
また,DC-DCコンバータ方式の小型高効率電源などが新規に開発され,性能当たりの設置スペースおよび使用電力を,従来のM-880比で1/4から1/6に大幅に削減された.
180,210,310,410 | 220,320,420,520,620,720,820 | |
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命令プロセッサ数 | 1-4 | 1-8 |
主記憶容量 | 256MB-2GB | 512MB-2GB |
拡張記憶容量 | 0-4GB | 0-8GB |
チャネル数 | 16-128 | 32-256 |
MP5600は,M860の後継機として,1996年4月に発表され,1996年9月に出荷された.M860の約2倍の性能を持ち,8台までのマルチプロセッサ構成で約18倍の性能レンジをカバーする12モデルから構成される.CMOS LSIを全面的に採用し,主記憶,拡張記憶,入出力プロセッサには最大600kゲートのCMOS LSIを採用している.M860比で最大85%の省スペースと最大90%の省エネルギーを実現したワンボックスシステムである.H-6710高速結合装置を加えることにより,最大32台のCPN(Central Processing Node:密結合マルチプロセッサにより構成されるCPU)間の並列処理機能をサポートし,スケーラブルなシステム拡張を可能とした.
MP5500は,MP5600の下位に位置づけられ,1995年4月にMP5800と同時に発表され,1995年10月に出荷された.データ圧縮機構,光ファイバが接続可能なACONARC(Advanced Connection Architecture)チャネルパス共用機能,入出力動的再構成機能などを標準装備している.
MP5400は,「Mシリーズ」の財産を継承し,かつオープン化に対応した中・小規模システム向けの基幹サーバである.1995年9月に発表され,1995年12月に出荷開始した.リレーショナルデータベースの並行処理を行う「RDBパラレル機構」の搭載により,基幹業務処理全体のトータルスループットを約2倍に向上させるとともに,「オープンシステムパラレル機構」により,メインフレームでの業務とオープンシステムでの業務を並行処理し,また「オープンジョブウェイ」により,メインフレームとUNIXおよびWindows NTを用いたオープンシステムとの業務連携の自動化を実現した.