FACOM 461Bは,14インチディスク6枚から構成されるディスクパック(IBM1316または同等品)を使用した富士通のディスクパック装置で,FACOM 230-20システム用として1964年に完成した.
ディスクパックは,磁気ディスクの記録円板を取り外し可能な構造にしたもので,この媒体を使用したディスクパック装置は以下のように磁気テープと磁気ドラムの特長を兼ね備えていた.
- 1) 媒体が交換できるので装置として記憶容量が無限である.
- 2) データの出し入れはランダムに行える.
FACOM 461Bには,一組5本のアームからなるアクセスアームを備え,油圧モータにより同時に駆動されディスク10面(6枚の円板の両面を使用,外側の2枚の円板は使用しない)をアクセスした.ヘッドはディスク1面に1個使用された.ディスク面は203個(内3個は予備)のトラックからなり,トラックは10個のセクタ(レコード長256バイト)に分割された.
後に,同じディスクパックを使用し,アクセス機構に電気パルスモータを採用することによりポジショニング時間を短縮するとともにデザインを一新したFACOM 462KおよびFACOM 462K-1が開発された.FACOM 462Kは,トラック記録形式として可変長タイプを採用し,大型コンピュータFACOM 230-60で使用された.FACOM 462K-1は,固定長タイプを採用し,中型コンピュータFACOM 230-25,230-35で使用された.FACOM 462KとFACOM 462K-1は,トラック記録形式が異なる以外は全く同一の装置である.
FACOM 461B | FACOM 462K-1 | FACOM 462K | |
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完成時期 | 1964年 | 1968年8月 | |
記憶容量 | 5.12 MB | 5 MB | 7.25 MB |
トラックフォーマット | 固定長タイプ(セクタタイプ) | 可変長タイプ | |
ポジショニング時間 | 90ms | 75ms | |
ディスク回転数 | 2,400 rpm | ||
平均回転待ち時間 | 12.5 ms | ||
データ転送速度 | 131 KB/s | 156 KB/s | |
ヘッド駆動方式 | 油圧モータ | 電気パルスモータ | |
主要接続システム | FACOM 230-20/30 | FACOM 230-25/35 | FACOM 230-60 |