FACOM 230シリーズの後継機として1968年8月に発表された富士通の中大型機である(FACOM 230-25,35は中型機,FACOM 230-45は大型機).後の小型機FACOM 230-15(1970年4月発表),FACOM 230-45を強化した大型機FACOM 230-45S(1971年2月発表)および大型機FACOM 230-55(1971年11月発表)の追加によりFACOM 230-5シリーズが完成した.これらはFACOM 230-60等の開発による技術蓄積をベースに,新技術を駆使した“ICコンピュータ”シリーズで,共通した設計思想の基に開発された2バイトを1語とする16ビットマシンである.
発表後も逐次機能強化を行って一段と性能を向上させたが,特にFACOM 230-25,35で主記憶装置に初めてICメモリを採用し記憶容量の倍増を図ったことは,大きな意味を持つもので,後のFACOM 230-8シリーズでの全面ICメモリの採用のもとともなった.FACOM 230-45S・FACOM 230-25・FACOM 230-15は,大・中・小型機の分野におけるベストセラー機となった.
機種名規模 | 230-15 | 230-25 | 230-35 | 230-45S | 230-55 | |
---|---|---|---|---|---|---|
小型 | 中型 | 中型 | 大型 | 大型(2CPUマルチプロセサ可能) | ||
記憶装置 |
サイクルタイム (記憶素子) |
1.5μs/2B(磁気コア) | 1.5μs/2B(磁気コア) | 650ns/2B(磁気コア) | 700ns/2B(磁気コア) |
MEM-I 600ns/4B (プレーテッドワイヤ) MEM-II 1.2μs/4B (磁気コア) ECC機能あり |
容量 | 8〜32KB | 8〜64KB | 32〜128KB | 128〜512KB |
MEM-I 64KB〜1MB または MEM-II 128KB〜2MB |
|
演算速度 | 2進加減算(16ビット) | 3.0μs | 3.0μs | 1.3μs | 1.4μs | 0.3μs (32ビット) |
10進加減算 |
28.5μs (5桁) |
21.75μs (6桁) |
7.47μs (6桁) |
7.35μs (6桁) |
1.2μs (7桁) |
|
浮動小数点加減算 | なし | 16.5μs | 7.15 | 4.55μs | 1.1μs | |
最大搭載チャネル数 | 6 | 6 | 8 | 10 | 32 |