【富士通】 OASYS LX3000

ワープロとして初めて,指で画面を直接触って簡単に操作できる「タッチオペレーション」を採用した機種として,1994年10月に富士通から発表された.OSAYS LX3000は添付のペンによる手書き入力も可能.本機は以下の特徴をもつ.

(1) タッチオペレーション
機能の選択,操作の指示や文字入力の位置指定など,様々なワープロ操作を画面への指タッチで行える.「ペン入力」による手書き入力も可能であり,誰にでも使い易いワープロを目指した.
(2) フルカラー印刷
標準装備のカラーサンプル(115種類)を使って,文書や手紙などのカラー印刷が可能.
(3) イメージスキャナを内蔵
イラストや写真の読み取り,申込書などの帳票の読み取り,それらの印刷,コピーやFAXなど,幅広い用途に対応.
(4) その他
  • スーパアウトライン5書体(*)を標準装備
  • (*) 明朝体,ゴシック体,毛筆体(楷書),丸ゴシック体,江戸文字
  • 拡大/縮小印刷が自在にできる「ズーム印刷」機能
OASYS LX-3000 諸元
モデル名LX-3000
発表時期1994年10月
FDD3.5inch×1台(2HD/2DD(*1)兼用)
FROMカード1スロット
スキャナ 読取速度約55秒(A4用紙)
読取密度 高精細モード: 400 dpi(はがきサイズまで)
標準モード: 200 dpi(A4サイズまで)
中間調表現 64階調(高精細モード時)
16階調(標準モード時)
通信インタフェースRS-232C(*2)準拠
モデム DATAモード 通信速度:300 / 1200 / 2400 bps(MNPクラス5 (*3))
回線:加入電話回線
通信方式:全二重(ITU-T (*4) V.21 / 22 / 22bis /42 / 42bis, BELL(*5) 103 / 212A 準拠)
FAXモード 通信速度:300 / 2400 / 4800 /7200 / 9600 bps
回線:加入電話回線
通信方式:半二重(ITU-T V.29 / 27ter / V.21ch2 準拠),伝送手順:G3(*6) ITU-T T.30 準拠
FAX制御方式:EIA / TIA(*7) CLASS2 準拠
データ圧縮方式:MH圧縮(*8)
キーボード 親指シフトキーボード(日本語入力コンソーシアム準拠)
又は JISキーボード
外寸374(W)×364(D)×102(H)mm (突起部分除く)
重量5.8 kg
消費電力75 W(最大)/73 W(定格)

(*1) 2HD/2DD: FDDの記録の密度に関する種類の違いを表す.2HDは両面高密度(2 sided High density Double track),2DDは両面倍密度(2 sided Double density Double track)を示す.
(*2) RS-232C(Recommended Standard 232 version C): シリアルインタフェースの通信方式としては最も普及している規格.パソコン等では周辺装置(プリンタ,モデム等)の接続に用いられる.
(*3) MNPクラス5: MNP (Microcom Network Protocol)はモデム通信規格のひとつ.幾つかのクラスがあり,クラス5はデータの圧縮を定めるプロトコル.
(*4) ITU-T: 国際通信連合(International Telecommunication Union)の電気通信標準化部門(Telecommunication sector)を示す.ITUは電気通信に関わる標準の策定,周波数の利用割当て等を行う国際組織.
(*5) BELL: 米国AT&T社の技術仕様として普及していた,モデムや通信プロトコル等に関する規格.103や212Aはモデム変調方式に関する規格.
(*6) G3: ITU-Tが定めたアナログ回線用のFAX国際規格のひとつ.
(*7) EIA / TIA: 米国の通信工業協会(Telecommunication Industries Association),電子工業協会(Electronic Industries Association)を示す.CLASS2はそこで規定する手順の種類.
(*8) MH圧縮: MH(Modified Huffman)符号によるデータ圧縮方式.


  
OASYS LX-3000