トータルなドキュメントシステムとして,カラー文書の作成及び出力(印刷)からクライアント・サーバ形態での文書の共有や管理を可能とした富士通のビジネス用ワープロ.マイクロソフトのパソコンOSであるWindowsやLAN(ローカルエリアネットワーク)サポートなどのオープンネットワーク連携を備えるなど,機能を一新したOASYSシリーズとして1994年7月に,OASYS 5100G/OASYS 5300G/OASYS5200の3機種が発表された.OASYS 5000Gシリーズは次の特徴をもつ.
- (1) 高品位文書を作成する新文書編集機能
- カラードキュメントを画面上で作成可能にするためのカラー表示(1677万色中256色)機能.発音記号や欧州言語向けなど約1,200文字の追加.最大175種(和文用に42,欧文用に92,その他として41)の多彩なフォントの装備.
- (2) 新統合HCI(Human Communication Interface)
- マルチウィンドウ機能.WYSIWIG(What You See Is What You Get)機能.従来のキーボード中心の機能に加え,パソコンのようなメニューバーやプルダウンメニューなどのマウス(ポインティングデバイス)による操作機能.
- (3) オープン化,クライアント・サーバ型システムへの対応
- NetWareサーバ(注1)でのファイルの共有と管理.マイクロソフトのWindows3.1を搭載することによりWindowsパソコンとしても利用可能.
- (4) ハードウェア
- CPUとしてインテルのi486DX4(100MHz)/i486SX(33MHz)を採用.アウトラインフォントや高速矩形描画のための各種アクセラレータを装備.普通紙出力では最高レベルで32ライン/mmの800dpiのLBP(レーザビームプリンタ)をサポート.
モデル名 | 5100G | 5200G | 5300G |
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発表時期 | 1994年7月 | 1994年7月 | 1994年7月 |
CPU | i486SX 33 MHz |
i486DX2 66 MHz |
i486DX4 100 MHz |
HDD | 260 MB | 340 MB | 530 MB |
FDD | 3.5inch(3モード対応(*1))×1台 | ||
カードスロット | 1スロット(JEIDA (*2) V4.0対応) | ||
インタフェース | ディスプレイ(モノクロ 17inch/15inch用) SCSI(*3), RS-232C(*4), セントロニクス(*5), 5inchFDD |
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拡張スロット | 4個. ただし,プリンタ接続ボード専用64bitバススロット×1とCD-ROM / 音源ボード専用スロット×1の2つのスロットは用途が限定される. |
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拡張メモリスロット | 10個:拡張RAMカード(8MB)×2個 , 拡張I/Oメモリ(4MB)×4個 , 拡張I/Oメモリ/ (8MB)×4個 |
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内蔵ベイ | 1台:3.5inch光磁気ディスク 又は 3.5inchFDD 又は 340ハードディスク用 | ||
キーボード | 親指シフトキーボード(日本語入力コンソーシアム準拠)又は JISキーボード | ||
ディスプレイ |
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外寸 | 170(W)×375(D)×335(H)mm | ||
重量 | 12.7 kg | 12.8 kg | 13.0 kg |
消費電力 | 88 W | 88 W | 90 W |
(*1) 3モード対応: FDDのフォーマット形式が3つの容量(720KB, 1.2MB, 1.44MB)に対応していることを示す.
(*2) JEIDA:日本電子工業振興協会.後のJEITA.JEIDA V4.0はPCカードスロットの規格のひとつ.
(*3) SCSI(Small Computer System Interface): 本体と磁気ディスク等の周辺機器との接続方法の規格.
(*4) RS-232C(Recommended Standard 232 version C): シリアルインタフェースの通信方式としては最も普及している規格.パソコン等では周辺装置(プリンタ,モデム等)の接続に用いられる.
(*5) セントロニクス(Centronics): パラレルインタフェース規格の一つ.シリアルインタフェースに比べて高速な通信が可能.プリンタ接続用に用いられた.