【富士通】 OASYS 30-AP101

OASYS 30AP-101は,パーソナルワープロとして初めてハードディスク(HDD)を搭載した機種として,1994年5月に富士通から発表(発売)された.

120MBのHDDを搭載することで,下記のような従来にない性能・利便性の向上が図られた.

  • 2HD文書フロッピー20枚分(A4判約6000ページ分)を保存可能.また,1文書あたりA4判50ページの大容量が可能.
  • スーパアウトライン5書体(和文)と英文21書体をHDDに内蔵.(従来はフロッピーを差し替えて印刷)
  • 50文例の文例集を内蔵.
  • すべてのプログラムをHDD内に格納(従来は一部のプログラムはフロッピーを差し替えて起動).

また,OASYS 30AP-101は同社のパーソナルワープロの最高性能機種として,400dpiの精度を持ち190文字/秒の印字が可能な高速マルチラインプリンタの搭載,13種163パターンのグラフ作成機能,オプションのモデムを搭載すればFAX送受信やパソコン通信が行えるなど,ビジネス利用までも視野に入れた多彩な機能を持っていた.

OASYS 30-AP101 諸元
モデル名OASYS 30-AP101
発表時期1994年5月
入力 キーボード:親指シフト(日本語入力コンソーシアム準拠)又はJIS
入力方式:文節/複分節変換方式(ローマ字入力可)
ディスプレイ 高輝度バックライト付液晶(ホワイトモード)16×16ドット
40字×21行(標準),80字×38行(縮小表示)
HDD 120 MB(A4換算約6000ページを記録)
FDD 3.5inch(2DD / 2HD)×1 (*1)
( 2HD:1枚のフロッピーでA4換算約300ページを記録)
プリンタ 熱転写方式/マルチライン印字
印字精度:400 dpi
印字速度:190文字/s
辞書 一般単語:244,000語
AI辞書(内蔵):20万例 (*2)
最新使用優先学習方式
ユーザ語:2400語
外寸390(W)×160(D)×341(H)mm
重量8.4 kg
消費電力79W(最大 80 W)
その他
  • ズーム印刷機能:文字を拡大あるいは縮小して印刷
  • グラフ機能:ビジネスワープロに匹敵する13種163パターンのグラフを用意(棒グラフ,折れ線グラフ,絵グラフ,面積グラフなど)
  • オプションのモデム接続にて通信処理が可能
  • データモード:300 / 1200 / 2400 bps 全二重
  • FAXモード:300 / 2400 / 4800 / 7200 / 9600 bps 半二重

(*1) 2HD/2DD: FDDの記録の密度に関する種類の違いを表す.2HDは両面高密度(2 sided High density Double track),2DDは両面倍密度(2 sided Double density Double track)を示す.
(*2) AI辞書: 前後の単語も参照して文脈的に適切と思われる「かな漢字」変換をサポートするための辞書.


  
OASYS 30-AP101