【富士通】 OASYS Pocket

OASYS Pocketは,1991年3月に富士通から発表(発売)された,超小型・超軽量のワープロである(同社では「ポケットサイズワープロ」と呼んでいた).

225mm(W)×114mm(D)×26mm(H)と紳士服の内ポケットに入るサイズと,わずか530gの重量,単3アルカリ電池で約10時間動作するなど,携帯性が非常に重視された機種であった.ワープロとしての編集機能は同社のワープロOASYS シリーズと同等のものが継承されているほか,システム手帳機能が搭載され,個人が携行して利用するシーンに配慮されていた.また,別売のモデムを接続すればパソコン通信が行えるなど,その機能は単なる小型ワープロの域を超えており,ワープロやパソコンのユーザ,あるいは電子手帳ユーザなど,幅広い層での利用を配慮した端末として開発された.

OASYS Pocket 諸元
モデル名OASYS Pocket
発表時期1991年3月
入力 キーボード:親指シフト(日本語入力コンソーシアム準拠)又はJIS
入力方式:対話式かな漢字変換方式(ローマ字入力可),
文節/複分節入力
ディスプレイ 反射式ハイコンストラスト液晶(ホワイトモード)16×16ドット
40字×11行(標準),80字×20行(縮小表示)
FDD 3.5inch(2DD / 2HD)×1 (*1)
( 2DD:1枚のフロッピーでA4換算約200ページを記録)
辞書 一般単語:142,000語
AI辞書(内蔵):15万例 (*2)
最新使用優先学習方式
ユーザ語:1000語
外寸225(W)×114(D)×26(H)mm
重量530g(アルカリ電池2本搭載時)
電源アルカリ単三電池×2
約10時間使用可能
その他
  • システム手帳機能(スケジュール,世界時計,住所録,メモ,電卓)
  • ICカードタイプのフロムカードスロット×2を装備
  • 富士通製FMプリンタ/NEC社製PCシリーズ用プリンタに接続可
  • オプションのモデム接続にて通信処理が可能(300 / 1200 / 2400 bps 全二重)

(*1) 2HD/2DD: FDDの記録の密度に関する種類の違いを表す.2HDは両面高密度(2 sided High density Double track),2DDは両面倍密度(2 sided Double density Double track)を示す.
(*2) AI辞書: 前後の単語も参照して文脈的に適切と思われる「かな漢字」変換をサポートするための辞書.


  
OASYS Pocket