【東芝】 Rupo WPC5000

パーソナルワープロRupoシリーズの持つ豊富な文書処理機能と文書処理専用機としての使いやすさを,Microsoft Windows 3.1の環境で実現したワープロパソコンと呼ばれる製品で,1996年に発売された.ワープロマーケットに対するPCの浸食に対応するために,Lotus 1-2-3のRupoシリーズへの搭載を進めてきたが,PCによる侵食の度合いは弱まる気配を見せないどころか,より一層勢いを強めていた.この状況への対抗策として考えられたのが,PC環境でのRupoシリーズの文書処理機能の実現であった.しかしながら,それは,単なる,Rupo機能のPCへの移植といったものではなく,HW,SWの両面で多くの工夫がなされた.

11.3インチ高精細カラー液晶ディスプレイ(SVGA対応 800×600ドット 256色),フルカラーインクジェットプリンタを搭載した一体型で,使い勝手を考慮し,電源スイッチ,フロッピディスクドライブ,印刷排紙部を前面に設けた.

Rupoユーザに違和感を与えることなく操作してもらえるような工夫もされている.まず,電源を入れるとRupoメニュー画面が表示されるため,PCを意識せずに文書の作成や編集作業を開始することができる(Windows 3.1のアプリケーションを利用する場合には,Rupoメニューに準備されている「Windowsへ」を選択する).また,PCで標準となっているOADG仕様106キーボードにRupoの機能名称が刻印されているので,一つひとつの操作もRupo操作感覚で可能となった.

ワードプロセッサの機能としては,専用機のRupoと同様に,スピーディーな入力変換を実現する「全文まるごと変換」機能を採用し,AI変換,長期・短期頻度学習,ユーザ辞書登録などの機能も搭載した.また,330字/秒の高速双方向印刷が可能なフルカラーインクジェットプリンタを搭載した.

Rupo WPC5000の諸元と仕様
外形寸法他
幅390×奥行230×高さ337mm,約11kg
電源条件
AC100V±10% 50/60Hz 0.8A
プレインストール
Rupo Writer(東芝ワープロソフト)
Rupo ACE(東芝かな漢字変換ソフト)
MS-DOS Version6.2/V
Microsoft Windows Version3.1
表示装置
11.3インチDSTNカラー液晶(256色) 800×600ドット
CPU
486DX2(66MHz)相当
メモリ
8MB(最大24MBまで増設可)
記憶装置
本体内ハードディスク 520MB
3.5インチフロッピーディスク(1.44MB/1.2MB/720KB)
KB/マウス キーボード:OADG仕様準拠106キーボード(テンキー付) 機能刻印付き
マウス:PS/2対応
内蔵プリンタ
360dpi フルカラーインクジェットプリンタ(約1,670万色) 330字/秒
インタフェース
PCカードスロット(Type II×2,またはType III×1)
外部プリンタ端子 外部CRT端子 拡張メモリスロット,RS-232C
入力・変換方式
全文まるごと変換(自動文節変換),AII変換,長期・短期頻度学習

  
Rupo WPC5000