1995 年9 月,日本電気より中国で人気の高い入力方法「知能ピン音入力」の採用や,6種類のアウトラインフォントを標準搭載した中国語ワープロ文華5SVが中国市場で発売された.
ハードウェア部分をNECが,ソフトウェア部分を日電華電子有限公司が分担開発し,中国語での操作環境を考慮していた.文華5SV は以下の特長を有していた.
- (1)業界で初めて採用した知能ピン音入力により,全ピン音(フルスペル入力)/簡略ピン音(一部のスペル入力)の混在利用を実現していた.さらに標準搭載した辞書に,ユーザ独自で頻繁に利用する文字を追加登録することができた(ダイナミックAI機能).これら機能により,中国語ワープロの難点とされていた入力/変換機能を向上していた.
- (2)簡体字4種類(宋体,楷体,黒体,仿宋体)と繁体字2種類(宋体,黒体)の6種類のアウトラインフォントを標準搭載していた.
- (3)公文書で使用されているさまざまな文字サイズを指定できるので中国公官庁用の正式文書の作成を可能としていた.
- (4)中国大陸以外で利用されている繁体字を標準搭載しており,中国語圏全般での幅広い利用が可能であった.