1994年9月,日本電気より業界で初めて「ビデオ入力機能」(名称:ビデオキャプチャー)を標準搭載したパーソナルワープロ4機種が発表された.本機能により自ら撮影した映像を活用した表情豊かな印刷物をフルカラーで手軽に作成できるようになった.
4機種は「バーコードリーダ」や連続給紙で次々に印刷ができる「用紙カセット」を標準搭載したmini5ZV,添付ソフトをすべて本体内に内蔵しフロッピーディスクの抜き差しの煩わしさを解消したmini5ZH,STNカラー液晶を搭載した最上位モデルmini5ZCのラップトップ型3機種,ノート型mini5Zjであった.
ラップトップ3機種mini5ZV mini5ZH mini5ZCの特長は以下であった.
- (1)業界で初めて「ビデオ入力機能」(名称:ビデオキャプチャー)を標準搭載し,ビデオカメラやビデオデッキなどをケーブルでワープロに接続するだけで手軽にカラー映像の取り込みができた.
- (2) フルカラー用インクリボンの薄膜化等でランニングコストを1/2〜1/6に同社従来機種比で削減していた.
- (3)本体底面に「用紙カセット」を内蔵しており,印刷用紙を次々に自動給紙して印刷でき,省コストで印刷できる専用感熱紙の利用も実現した.
- (4)「バーコードリーダ」を標準搭載し,書式設定や定型のイラスト,飾り文字,色などの選択がすばやく行え,作成したはがきや名刺データを所定のバーコードで呼び出すこともできた.
ノート型mini5Zjの特長は以下であった.
- (1)携帯や収納に便利なノート型でありながら,ビデオキャプチャーをはじめとする「mini5ZV」の基本機能とB4版までの用紙が印刷できるプリンタを内蔵していた.
- (2)文書中の英単語の綴りの間違いをチエックする英文スペルコレクタ8万7千語をROMで内蔵していた.
- (3)欧文書体20種類をROMで内蔵し,ワープロ検定2級までの検定練習ソフトを標準装備していた.
文豪 mini5Zj の諸元 | 文豪 mini5ZV,mini5ZH,5ZCの諸元 | ||
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発表 | 1994年9月 | 1994年9月 | |
表示部 | 表示 |
バックライト付きホワイトモード液晶 40字×22行 標準/拡大/縮小 |
5ZV,5ZH:バックライト付きホワイトモード液晶 5ZC:バックライト付きカラー液晶 40字×22行 標準/拡大/縮小 |
入力部 |
キーボード |
JIS配列準拠 |
JIS配列準拠 |
入力方式 |
AI変換/連文節変換 インテリジェント学習機能 JIS入力,ローマ字入力 |
AI変換/連文節変換 インテリジェント学習機能 JIS入力,ローマ字入力 |
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バーコード |
オプション |
標準搭載 |
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辞書数 |
約27万語 約10万語 約 7万例 |
約42万語 |
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辞典 | 5ZH,5ZC 国語辞典 約6万5千語 |
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記憶部 | 内部 外部 その他 |
30頁(1000字/頁) 3.5インチFD×1 メモリカードスロット×1 |
30頁(1000字/頁) 3.5インチFD×1 メモリカードスロット×1 |
印字部 | プリンタ 速度 用紙幅 |
64ドットプリンタ 65CPS相当 官製はがき〜B4横(最大90字/行) |
160ドットマルチラインプリンタ 230CPS相当 官製はがき〜B4横(最大90字/行) |
装置諸元 | 寸法(mm) | 335W×285D×59H | 378W×390D×86H |
重量 | 3.2kg | 5.9kg | |
電源 | AC100V | AC100V | |
消費電力 | 待機時11W 印刷時30W | 5ZV:待機時13W 印刷時42W 5ZH:待機時13W 印刷時46W 5ZC:待機時13W 印刷時50W |