1982年11月に東芝が販売を開始した,パーソナルユースを目指した小型,軽量,低価格ワープロ.価格が59万8千円,重量が11.5kgというオールインワンタイプのポータブル機であり,1978年に発表された初の日本のワープロJW-10と比べると,4年間で体積が20分の1,重量が15分の1,価格が10分の1となった.
JW-1の主な特徴は以下のとおりである.
- (1) 可搬性
- 2行漢字液晶ディスプレイ,小形熱転写プリンタ,両面倍密度薄型5.25インチFDD,薄型KB開発,256キロバイトマスクROM,64キロバイト D-RAM採用により,小型化/軽量化を実現した.
- (2) 高機能
- 小型,低価格機ではあったが,入力方式としては上位機で確立されたかな漢字変換方式を採用し,完成した文書印刷も,24×24ドット印字で行われた.
JW-1では,2行しか表示することができなかったので,ユーザの操作意図に応じて,表示装置上の各行の用途を切り替えるなどの工夫を重ねて,ユーザには快適な操作性を提供した.
また,同機はポータブル機であることから,突然の停電,あるいは電源断や文書FDの破損などのような,従来機よりも厳しい使用環境が想定されるために,次のような機能を備えた.
- 文書復旧機能
- 文書作成途中での電源断などによる不意の処理中断が発生した場合でも,それまでの入力を可能な限り復旧する機能
- 文書FD強制読み込み
- 文書FDの入力でエラーが発見された場合にエラー部分をスキップして,正常部分のみを読み込んで被害を最小限に食い止める機能
寸法 | 本体 | 540(W)×320(D)×130(H) |
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キーボード | 530(W)×140(D)×35(H) | |
重量 | 11.5kg | |
キーボード | JIS配列準拠(71キー) | |
表示装置 | 液晶,40字×2行,表示文字フォント:16×16ドット | |
プリンタ |
熱転写プリンタ,印字文字フォント:24×24ドット,印字速度:18.5字/秒, ドット密度:7本/mm,用紙サイズ:A4/B5(カット紙),印字字体:明朝体 |
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文字種 | 第一水準,非漢字(JIS C 6226)と第二水準の100文字(選択可能) | |
文書ファイル | 両面倍トラック倍密度薄型5.25inch FD,A4 40ページ/枚(40字×36行/ページ) |