日本電気は,1982年10月,キー入力,ペンタッチ入力に代えて音声で入力して文書をつくる音声ワードプロセッサVWP-100シリーズを世界で初めて製品化し,発表した.
本製品の特長は以下のとおりである.
- 1) 本製品は,音声による文章入力方法として日本語に適した単音節入力を採用した.
- 「ア」「イ」「ウ」といった単音節音声は発声とカナ文字が1対1で対応しているため日本語の文章を音声で入力するには適した方法であること,また単音節の音声認識は認識できる語彙が無制限であり,人名,住所などの多種の固有名詞を数多く含む情報入力にも適している.
- 2) ディジタル信号処理用LSIを使用して高精密度分析を実現し,同社独自の時間正規化マッチング方式による単音節認識を採用して高い認識率を実現した.また,マルチプロセッサ方式の専用ハードウェアを使用し即時(約250m秒)に認識できる.
- 3) 40文字×25字表示のCRTディスプレイを持ち,縦横のスクロール機能により,90文字までの文書を1行に編集し表示ができる.また,太線・細線を簡単な操作で引くことができ,表の作成が容易である.さらに,文書中の数値データを計算する演算機能など本格的な編集機能を備えている.
VWP-101 | VWP-102 | VWP-103 | ||
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発表 | 1982年10月 | |||
音声入力 | 認識語彙 | 特定話者,単音節認識(68種) | ||
登録回数 | 単音節を3回登録 | |||
認識方法 | DPマッチングをベースにした独自方式 | |||
ディスプレイ | 画面サイズ | CRT14インチ | ||
表示 | 40字×25行,16×16ドット | |||
プリンタ | 文字 | 10.5ポイント,3.3×3.5mm,16×16ドット | ||
印字数/行 | 53字 | 90字 | ||
最大用紙幅 | A4(縦) | B4(横) | ||
印字方式 | ドットインパクト方式 | |||
速度 | 40字/行 | |||
文字 | 標準 | 3,858字(JIS水準1を含む) | 7,242字(JIS水準1,2を含む) | |
JIS水準2 | 3,384字(外字登録で使用) | |||
ユーザ追加 | 94字 | |||
ファイル | フロッピィディスクの種類 |
8インチ×2台 プログラム/辞書(1台),文書用(1台) |
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文書容量 |
A4版 40原稿/FD 80ページ/原稿 300ページ/FD |
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辞書 | 基本語 | 2万5千語 | ||
ユーザ追加 | 5千語 | |||
機能 | 作表機能,横スクロール,計算機能,レイアウト表示 | |||
外形寸法 (W×D×H) 重量 |
本体 | 500×460×350mm 27kg | ||
キーボード | 500×230×60mm 4kg | |||
音声入力 | 450×310×250mm 25kg | |||
プリンタ | 400×320×120mm 12kg | 570×395×280mm 19kg | ||
電源 | AC100V±10% | |||
消費電力 | 600VA | 650VA |