日本電気は,1984年3月,M式キーボードを採用したNECパーソナル日本語ワードプロセッサPWP-100を発表し,パーソナルワードプロセッサ市場に参入した.
本製品は,当時日本語ワードプロセッサの課題とされていた漢字,かな混じり文章の入力方法の簡素化と入力速度の向上をねらいとして,1983年3月に同社の特別顧問森田正典が開発した新入力方式(M式キーボード)を採用しており,12インチのCRTディスプレイ,3.5インチのフロッピィディスク装置さらにドットマトリックス方式のプリンタを本体に収納した一体型専用機である.販売価格は一式で349,800円,プリンタなしの本体価格が252,500円となっており,CRTディスプレイ付き専用機としては国内で初めて30万円台の価格を実現した.これは,1MビットマスクROM,マイクロフロッピィディスクなど電子デバイスを初めとする部品の小型化,低価格化によるものである.
本体 | 入力方式 | 新日本語入力方式(M式) |
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表示機能 |
12型(ノングレアタイプブラウン管) 表示字数 800字(40字×20行) 字構成 16×16ドット |
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記憶容量 |
3.5インチマイクロフロッピィディスク使用 文書用フロッピィ 最大32文書 1文書容量:252行(50%漢字,1行の60%使用時) |
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辞書機能 |
語数:約35,000語 ユーザ登録略号数:最大128種 |
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外形寸法(単位:mm) |
本体:370(W)×301(H)×366(D) キーボード:392(W)×58(H)×208(D) |
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重量 | 本体:約9.9kg,キーボード:約1.4kg | |
消費電力 | 約45W | |
プリンタ PC-PR103 |
印字方式 | ドットマトリクス方式 |
ドット構成 | 16×16ドット(ビットイメージによる印字) | |
印字速度 | 92字/秒(HSパイカ文字) | |
1行印字数 | 80字/行(HSパイカ文字) | |
用紙幅 | 4.5〜10インチ | |
インタフェース | セントロニクス社仕様準拠 | |
外形寸法(mm) | 352(W)×87(H)×255(D) | |
重量 | 6kg | |
消費電力 | 待機時:15W,動作時:最大 59W |