日本電気は,1980年5月,同社初のスタンドアロン型文章処理専用機NEC日本語ワードプロセッサNWP-20を発売した.
当時,英文ワードプロセッサの登場により,国内でも邦文タイプライタに代わる新しい文書作成ツールとしての日本語ワードプロセッサに期待が高まっており,これに応えるものであった.
主な特長は以下のとおりである.
- 1) 文章の変更,挿入,削除といった編集,校正がディスプレイを見ながらキーボードを使って処理できる対話校正機能を持つだけでなく,本文とは別に校正指示を作成し,後で本文とまとめて一括処理できる一括構成機能や章,節,段,文字列での検索機能を備えている.
- 2) 文字は,JIS第一水準,同第二水準を含む8,500種類の文字を取り扱うことができる.
- 3) 熟語入力キーボードに熟語,慣用句を登録し,ワンタッチで呼び出して使用できる.
- 4) 表示文字数640字の大型ディスプレイを採用しているので見やすく,操作が楽.
- 5) 高速ノンインパクト式ページプリンタ(NIP)により,1分間でA4用紙約9枚の印字が可能.
価格はインパクト式日本語ラインプリンタ付きモデルで425万円からとなっており,用途はオフィスでの文書作成業務の効率化に資するものであった.
項目 | 仕様 | |
---|---|---|
CRTディスプレイ | 画面サイズ | 14インチ |
表示容量 | 40字×16行 640字(表示色:緑) | |
文字パターン | 24×24ドット | |
表示字種 | 標準3,967 最大8,499(オプション) | |
ペンタッチキーボード | 方式 | ペンタッチ式タブレット(ワイヤレス) |
文字盤面 | 60×55 3,300字 | |
熟語入力 | 126×10シート 1,260項目 | |
ページプリンタ | 印字方式 | レーザビームによる電子写真式ノンインパクトプリンタ |
用紙 | 普通紙(カット紙):A4,A5,B4,B5 | |
文字サイズ | 9ポイント(標準),7ポイント,12ポイント(オプション),各サイズの縦2倍拡大 | |
文字パターン | 32×32ドット(9ポイントの場合) | |
印字文字種 | 標準3,967 最大8,499(オプション) | |
印字速度 | A4用紙 9枚/分(860行/分) | |
日本語プリンタ | 印字方式 | ドットインパクト式ラインプリンタ |
用紙 | スプロケット式折りたたみ用紙:幅 最大15インチ | |
文字サイズ | 10.5ポイントおよび2倍拡大 | |
文字パターン | 24×24ドット | |
印字文字種 | 標準3,967 最大8,499(オプション) | |
印字速度 | 60行/分 | |
フロッピィディスク | 記憶容量 | 約1MB(A4サイズ用紙約300ページ),3台(標準) |
編集・校正機能 | 校正機能 | 文字列(文字,短語,文章)の挿入・削除・置換,一括置換,複写,移動,検索 |
編集機能 |
引用:既作成文章の引用 差込み:同一文中の変動部分(宛名など)の自動挿入 書式制御:縦書き,横書き,指定 一行字数指定 揃え機能:中央揃え,行末揃え,両端揃え,枠あけ,インデント,禁則処理,作表,ページ付け |
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動作モード | 対話入力/一括入力,直接引用/間接引用,対話校正/一括校正 |