日本電気は,1988年10月,自動かな漢字変換にAI機能を持たせたビジネスワープロ文豪3VIIEXおよび文豪3MIIを発売した.
同社は,低価格なビジネスワープロとして1986年11月に10インチCRT,官公庁向けの12ポイント印字機能,自動かな漢字変換機能を標準装備した文豪3Vを発表し,その後1987年10月に文章変換機能を強化し文豪3VIIとして発表した.また,1987年12月にWYSIWYG機能を持つ普及型ビジネスワープロ文豪3Mを発売した.この文豪3VII,文豪3Mの後継機がそれぞれ文豪3VIIEX,文豪3MIIであり,以下の特長がある.
- 1) 名詞や動詞に意味情報を付加した8万語のAI辞書を装備しているので,「彼が東京を発つ」と「彼が大地に立つ」といった同音異義語の選択を正しく行うことができる.
- 2) データ互換によるファイルの共用化が可能で,同社のビジネスワープロの他,文豪miniシリーズ,LANWORD,MS-DOSテキストファイルそのまま利用することや,それぞれの形式の文書ファイルに出力できる.
- 3) 明朝体,ゴシック体のアウトラインフォントをオプションで提供しており,拡大文字を高品質で印字することができる.
- 4) 7,10.5,12ポイントの3種類の大きさの文字を混在して印刷するマルチフォントサイズ印刷機能を持っているため,見出し,本文,備考などを文字の大きさを変えて印字できる.
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5) 快速ローマ字入力方式の提供
かな入力方式,ローマ字入力方式に加えてキーボードの左側に母音,右側に子音を配置する快速ローマ字入力を提供.子音と母音に分けて覚えやすく配列しているため,初心者でも容易に習熟でき,しかもJIS配列のローマ字入力方式に比べて約1.5倍の高速入力が可能.
なお,文豪3MIIでは,M式入力方式も提供.