富士通初の日本語ワードプロセッサで,1980年5月に日本語電子タイプライタとして発表された.発表時に機種名を公募して,応募の中から「オアシス(OASYS = Office Automation SYStem)100」と命名された.以後,同社の日本語ワードプロセッサにはOASYSという名前が付けられた.
このOASYS 100は,以下の特徴を有した.
- (1)日本語文章を誰でも容易に入力できる独自開発の親指シフトキーボードを採用
- (2)対話式かな漢字変換方式(ディスプレイ画面を見ながら変換キーで漢字に変換)による入力
- (3)最新使用優先学習方式(かな漢字変換の時に,最後に使用した漢字を最初に表示)
- (4)10万語(一般単語6万語,固有名詞2万語,ユーザ登録単語2万語)の漢字辞書を装備
- (5)A4判フルページ表示可能な大型画面(14インチCRTディスプレイ,48字×32行表示)を採用
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(6)すぐれた校正・編集機能を装備
(訂正,挿入,削除,移動など種々の校正・編集をディスプレイを見ながら簡単に行える) - (7)最大A4判 80ページ分を1枚のフロッピィディスクに保存(再利用も可能)
1981年8月には,従来の8インチフロッピィディスク・14インチCRTディスプレイに替え,5インチフロッピィディスク・12インチCRTディスプレイを採用して小形化と低価格化を図ったOASYS 100J,1983年11月には,小さいながらも最上位機OASYS 100Gの機能を搭載したOASYS 100Fが発表された.以後も,ビジネス用中級機として多数の機種が発表された.
機種 | OASYS 100 | OASYS 100J | OASYS 100F | |
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発表時期 | 1980年5月 |
16ドット:1981年8月 24ドット:1982年5月 |
1983年11月 | |
入力方式 | 対話式かな漢字変換 | |||
キーボード |
親指シフトキーボード, JIS配列キーボード, 50音配列キーボード |
親指シフトキーボード, JIS配列キーボード |
親指シフトキーボード (テンキー付), JIS配列キーボード (テンキー付) |
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単語辞書 | 一般単語 | 約60,000語 | 約50,000語 |
約35,000語 (拡張時:約45,000語) |
ユーザ登録 | 約20,000語 | 約10,000語 |
約5,000語 (拡張時:約10,000語) |
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ディスプレイ | 画面サイズ |
14インチ横型 グリーンCRT |
12インチ横型 グリーンCRT |
12インチ横型グリーン グラフィックCRT |
表示文字数 | 48字×32行 | 40字×22行 | 48字×22行 | |
フロッピィディスク |
8インチ 2台 (辞書用1台, 文書用1台) |
5インチ 2台 (辞書用1台, 文書用1台) |
5インチ 2台 (システム用1台, 文書用1台) (拡張オプション 5インチ1台) |
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プリンタ | 種類,ドット構成,印字速度,最大用紙幅 |
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外形寸法(*)と重量 | 本体部 |
700×496×392mm 50kg |
520×360×350mm 19kg |
520×360×350mm 18kg |
キーボード部 |
425×273×85mm 5kg |
420×236×75mm 3kg |
510×230×65mm 3.5kg |
*:W×D×H
(注)上記の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.