沖電気が提唱するシステムフレームワーク「OKI Frameware」を強化するため,OKITAC 9000シリーズが発表された.本シリーズはヒューレットパッカード社(HP社)からOEM導入された高性能UNIXシステムである.オープンマルチベンダ指向のクライアントサーバシステムに対する要求に応える製品と位置づけられている.
OKI Frameworkの特徴を以下に示す.
- (1)大規模クライアント/サーバシステム
- 価格性能比の高い分散処理システムを利用した企業の基幹情報システムや従来のミッドレンジコンピュータを中心としたシステムのダウンサイジング等を図るため,高性能サーバ/ワークステーションを提供する
- (2)オープンプラットフォーム
- 従来のコンポーネントのみならずサーバ,ワークステーションを強化し,企業の戦略情報システム,統合OAシステム等のシステムソリューションを提供
- (3)マルチカルチャサポート
- アプリケーションソフトウエアの選択によりバリエーションに富んだクライアント/サーバシステムの提供を可能にする
- (4)高性能オンライントランザクション処理
- 大規模データベースシステムや通信用システムの構築を可能にするため高性能かつ信頼性,保全性の高いオンライントランザクション処理システムを提供
- (5)PCリンク機能
- グループウエアや分散アプリケーションの開発に最適なソリューションを提供するため,ネットワークに接続された資源の能力を最大限に利用するLAN Manager/Xを提供
OKITAC-9000シリーズは,1992年4月にHP社と締結した基本契約の提携関係を進めたHP社からのOEM製品である.OKITAC-9000シリーズの特徴を以下に示す.
- (1)CPUにPA-RISCを採用
- (2)OSには,ビジネス用途にも使用可能なHP-UXを採用
- (3)業界準拠なオープンシステム(高い接続機能)
- (4)シリーズで上位互換を確保
1992年12月には,OKITAC-9000 800が13モデル(F10,F20,H20,F30,G30,H30,I30,G40,H40,I40,G50,H50,I50)発表された.クロック周波数は32MHzから96MHzと豊富な構成となっている.
1996年1月には,エントリークラスのOKITAC-9000 Dシリーズ2タイプ6モデル(D210,D250,D250/2,D310,D350,D350/2)が発表された.これらはSMP(対称型マルチプロセッサ)を採用している.D250/2モデルとD350/2はPA-7200(100MHz)を2個搭載し,SPEC int92は6280に到達している.
また1996年2月にはCPUにPA-7200(120MHz)を採用したミッドレンジKクラスとハイエンドTクラスを発表している.また9月にはCPUをPA-8000(160MHz〜180MHz)に増強したKシリーズとDシリーズを発表している.同時期,CPUにPA-7300LC(132MHz〜160MHz)を採用したUNIXワークステーション発表も行っている.
さらに,1998年にPA-8200を搭載したV2250(240MHz),2000年にPA-8600(552MHz)を搭載したsuperdomeを発表し,ネット決済,Webトランザクション,ERPなどのソリューションサーバを提供し積極的な展開を図っている.
一方,日本サン・マイクロシステムズ社のOEM製品であるOKITAC S 4/630MP,4/670MP,4/690MPも1991年10月に発表された.これらはクロック周波数40MHzのSPARCプロセッサを搭載し,4プロセッサモデルで90.3 SPECスループットの性能を発揮していた.