【日本電気】 SX-4

1994年11月,最大ベクトル演算性能が1テラフロップス(TFLOPS;1秒間に1兆回の浮動小数点演算)の「スーパーコンピュータSX-4シリーズ」が世界同時に発売された.同機は,CMOS,並列処理技術を採用することにより、高性能化と低価格化を実現したスーパーコンピュータであり,特長は以下のとおりであった.

(1)線幅0.35ミクロン(μm),約400万トランジスタの超高速、高集積CMOS LSI技術や高速な4メガビットシンクロナスSRAMの採用などにより,1個当たりの性能が2ギガFLOPSのCPU(中央演算処理装置)を512個並列に接続した最大構成で,ベクトル演算性能が1テラFLOPSと高性能を実現していた.
(2)1ギガFLOPSから1テラFLOPSまでの1,000倍の性能レンジを有する「スケーラブル・パラレル・スーパーコンピュータ」でシステムの拡張も容易であった.
(3)CMOSテクノロジの採用により安価で,空冷方式を全面的に採用することで,消費電力,設置面積ともに従来機比較で最大約1/10に削減していた.
SX-4装置構成概要
  シングルノードモデル マルチノードモデル
ノード数最大 1 16
CPU個数最大 32 512
最大ベクトル性能 64ギガFLOPS 1テラFLOPS
主記憶容量 8GB 128GB
最大拡張記憶容量 32GB 384GB
ノード間最大転送速度 128GB/s

  
SX-4