1989年4月,日本電気は,当時世界最高速のスーパーコンピュータSX-3シリーズを発表した.SX-3シリーズは,ゲート当たりの遅延時間が70ピコ秒,チップ当たり20,000ゲートの超LSIなどの最先端技術の採用や,国産機としては初めて最大4台の演算プロセッサが主記憶を共有する疎結合マルチプロセッサシステムを実現したことにより,最大ベクトル演算性能は,単一プロセッサで最大1.37ギガFLOPS,マルチプロセッサで最大22ギガFLOPSとそれぞれ世界最高の処理速度を実現した.
ゲート当たりの遅延時間が70ピコ秒,チップ当たり20,000ゲートという超高速CML LSIや記憶容量40キロビット,アクセスタイムが1.6ナノ秒の記憶回路と7,000ゲートの論理回路とを同一のチップ上に集積した高速RAMを採用.
また高速動作に適したポリイミド系樹脂の絶縁膜と薄膜微細配線技術とを採用した多層配線基板上に最大100個の超高速LSIが実装可能な新型のLSI超高密度パッケージを開発し,パッケージ当たり最大2百万ゲートいう超高密度実装を実現.
モデル11 | モデル12 | モデル14 | モデル22 | モデル24 | モデル42 | モデル44 | |
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発表時期 | 1989年4月 | ||||||
最大ベクトル演算性能 (GFLOPS) |
1.37 | 2.75 | 5.5 | 11 | 22 | ||
演算プロセッサ台数 | 1 | 2 | 4 | ||||
ベクトル演算パイプライン | 4本 | 8本 | 16本 | 8本 | 16本 | 8本 | 16本 |
スカラ演算パイプライン | 1セット | ||||||
最大主記憶容量 | 512MB | 1GB | 2GB | ||||
チャンネル本数 | 最大256本 | ||||||
最大総合データ転送速度 | 1GB/s |