【日立】 HITAC S-810

日立製作所の最初のスーパーコンピュータ.1982年8月に発表された.このコンピュータは,複数個の演算器がそれぞれ並行動作する並列パイプライン演算処理技術を採用したことにより,1秒間に6億3千万回の演算を行う世界最高速の能力を備えていたほか,Mシリーズのアーキテクチャを包含していたことから,TSS機能やセンタ機能等それまでの汎用システム並の使いやすさが確保され,研究機関を中心に科学技術の進歩を担うユーザに広く利用された.1号機は1983年10月に東京大学大型計算機センターに出荷された.

エントリモデルS-810/5,その上位モデルS-810/10,最上位モデルS-810/20の3モデルでシリーズを形成し,下位モデルより上位モデルへは,設置場所で容易にアップグレードできた.

S-810概略仕様
  S-810/5 S-810/10 S-810/20
最大性能 160MFLOPS 315MFLOPS 630MFLOPS
べクトル命令数 80 83
ベクトルレジスタ 256語×16 256語×32
ベクトルマスクレジスタ 256語×8
スカラレジスタ 16 32
ベクトルアドレスレジスタ 48
バッファ記憶 256KB
主記憶容量 32〜128MB 64〜256MB
拡張記憶 容量 256〜1,536MBまたは256〜3,072MB
最大転送速度 500MB/秒または1,000MB/秒
チャネル数 8〜32

  
HITAC S-810/20