1991年10月,日本電気よりTFTカラー液晶ディスプレイを搭載したノートパソコンを世界で初めて製品化したPC-9801NC(愛称:98NOTEカラー)が発表された.PC-9801NCはシリーズのノートパソコンの最上位モデルに位置づけられ,以下の特長を有していた.
(1) | TFTカラー液晶ディスプレイを搭載しているため,ノートパソコンの携帯性を有しながら,CRTディスプレイと同様の鮮明なカラー表示を行うことができた.4096色中16色表示が可能であるため,中間色まで鮮やかに表示できた. |
(2) | CPUにクロック周波数20メガヘルツ(MHz)の32ビットマイクロプロセッサ「386SX」を採用しており高速処理が可能であった. |
(3) | オプションの「TVチューナ付ビデオ表示アダプタ」を接続することで,テレビやビデオの映像を表示できた. |
(4) | ユーザズメモリとして2.6メガバイト(MB)を標準装備している.またRAMドライブを増設メモリとして使用すれば,合計で3.6MBのメモリを利用でき,「日本語MS-WINDOWS(Ver3.0/Ver3.0A)」など高度なソフトウェアをメモリ増設することなく使用できた. |
(5) | 薄型のTFTカラー液晶ディスプレイや,業界で最小体積の3.5インチフロッピーディスク装置の採用により,カラー表示および高速処理を可能にしながら,A4ファイルサイズ(幅316mm×奥行254mm×厚さ56mm),重量3.2kgを実現していた. |
(6) | 「日本語MS-WINDOWS(Ver3.0/Ver3.0A)」上で動作するマルチメディア対応アプリケーションソフトの開発,実行を支援するソフトウエアツール「オーサウエアスター」もオプションで提供されていた. |