高性能なプロセッサ,コンパイラ技術を駆使し超並列処理技術を研究する,科学研究費補助金重点領域研究(代表田中英彦)としてプロトタイプ作成を目指し,1991年から1995年まで研究が続けられた(さらに重点領域研究終了後,2000年3月まで並列分散処理コンソーシアム(PDC)としてプロジェクトを続行した).
重点領域研究は5つの研究班で構成した.A班は超並列向き応用,B班は超並列記述言語,C班はOS,D班はハードウェアの実現を研究目的とした.このD班が構築したハードウェアがJUMP-1である.JUMPはプロジェクト名Joint University Massively Parallel processingのアクロニムである.
JUMP-1は128クラスタ構成で,各クラスタはSuperSparc+を4台(それぞれ1 メガバイトの2次キャッシュ付き),主記憶装置2台(それぞれ64 メガバイト),知的メモリ機構2台,高速シリアルI/Oリンク数本からなり,階層トーラス網で結合している.
(情報処理学会歴史特別委員会編「日本のコンピュータ史」(2010年,オーム社発行) pp.201-202より編集)