【京都大学】VLIWコンピュータQA-2

QA-2はその前身のQA-1と共に,富田眞治や柴山潔を中心とし,多くの学生の協力を得,京大の萩原研究室で試作された.QA-1は1970年代の計算機である.QA-1,QA-2共に,CG用高速処理を目指して演算装置を4台実装し,VLIW(Very Long Instruction Word)方式で設計された.QAはquadruple ALU'sのことという.もっともVLIWという言葉は1983年にJ. Fisherにより提案されたので,QAシリーズの開発中は「低レベル並列処理計算機」と称していた.

QA-2は1978年に設計開始,256ビット長のマイクロ命令を持つ.23000個のICをワイヤラッピングで結合して作成された.1983年暮に稼働を始め,3次元CGやリアルタイムアニメーション,Prolog処理などに使われた.大学の研究室で試作実装された計算機の常として多くの学生の研究対象として働いた.

(情報処理学会歴史特別委員会編『日本のコンピュータ史』(2010年,オーム社発行) pp.190-191より編集)


  
QA-2