【日本電気】 ACOS-4/AVP XR

日本電気は1988年7月にACOS-4/AVP XR(Advanced Virtual Processor eXtended Release)を発表し,1988年12月に出荷開始した.

ACOS-4/AVP XRは,1984年に出荷されたACOS-4/AVPの設計思想を継承し,操作性の省力化,運用の手軽さを追及するとともに,ソフトウェアの高生産性機能と,分散システムを統合化して情報システムを構築する機能を強化したオペレーティングシステムである.1988年7月に発表された中小型システム ACOSシステム3400および後継機のACOSシステム3500に搭載された.

主な機能についての特長は以下の通りである.

(1)ソフトウェアの高生産性を徹底追求
 「SEA/I」をベースにソフトウェア開発支援をさらに強化し,高度なワークステーション機能を活用して分散開発環境を実現したIDL IIとSOFPIAを提供.
IDL IIはIDL II言語をベースとした高生産性言語システム,SOFPIAはCOBOL言語をベースとしたソフトウェア開発支援システムであり,対話型処理をベースとした「視覚化」と「自動化」のアプローチにより,主に下流工程の開発作業の効率化を実現した.

(2)パソコン感覚での情報の活用
リレーショナル型データベースにおいて,使いやすさ柔軟性を強化したRIQS IIを提供した.さらに,エンドユーザ自身がパーソナルコンピュータを操作する感覚で利用でき,簡単なレポートの作成から高度な経営情報分析まで容易にデータが活用できる,データベースサービスパートナーTQF II,デシジョンサポートパートナ「DSパートナ II」を提供した.これらにより,情報資源の有効活用,タイムリな情報提供,ユーザ業務の生産性向上を実現した.

(3)分散システムのインテグレーションが容易
分散システムアプリケーション体系DISAに基づく統一された仕様の製品を提供することによって分散システムの統合を容易にした.高度なネットワーク機能,分散データベース,分散システムの集中運用機能により,水平垂直な分散システムの構築が可能となった.