【日本電気】 ACOS-4/AVP

日本電気は1984年2月にACOS-4/AVP(Advanced Virtual Processor)を発表し,1984年9月に出荷開始した.
従来では一部の専門家に委ねられていたコンピュータ利用は,専門外の人々も仕事の中でコンピュータを利用する時代に変化した.ACOS-4/AVPでは,あらゆる分野において,エンドユーザの使い勝手とシステム運用の効率化を狙いとした開発を行った.ACOS-4/AVPは,小型化・低電力化を図った小型?中型領域のハードウェアACOSシステム430に搭載された.

主な機能についての特長は以下の通りである.

(1)ソフトウェア支援システムによるソフトウェア開発の効率化
ソフトウェア開発の設計から製造,検査,保守,管理までを一貫したツールSEA/I(Software Engineering Architecture/One)で開発することで,作業の標準化や資産の再利用など,ソフトウェアの開発効率化とともに生産性向上が可能となった.
(2)オフィスの知的生産性の向上
オフィスにおける文書/データ情報処理,コミュニケーション,意思決定を支援し,オフィスで働く一人一人の生産性向上を図る目的で統合オフィスシステム「アラジン」を提供した.アラジンでは机上やキャビネ,ごみ箱などのオフィス環境を画面にし,その上に各種業務のアイコンを配置させ,デスクワークをイメージしたユーザインタフェースを実現することで,コンピュータの専門化でないエンドユーザでも容易に理解できるようにした.
(3)数値,図形,グラフ,イメージなどの提供
日本語情報処理システムJIPSを基本に,日本語文書,図形,イメージ,音声など人間により近い形での多彩な形の情報処理を行えるようになった.
(4)対話情報処理をエンドユーザ向けに強化
コマンドのメニュー化,HELP機能やテキストメール機能などを加えて,初心者でも容易に操作できる機能を用意した.さらに,画面設計機能とプログラムインタフェースを提供したことで,ユーザが画面をつかった業務を構築できるようになった.
(5)リレーショナルデータベースRIQS(Relational Information Query System)
従来から提供してきたCODASYL型のデータベースADBS(Advanced Data Base System)に加え,リレーショナル型のデータベースRIQSを提供.RIQSデータは,アプリケーションプログラムから利用できるほか,エンドユーザ向け機能 データベースサービスパートナTQF(Table oriented Query Facility)を通して対話的なデータのアクセスを可能とした.
(6)ホスト集中処理形態から分散処理へ
企業システムの進展と共に,オフィスコンピュータやインテリジェント端末などホストコンピュータ以外のコンピュータが導入され,処理をそれぞれのコンピュータに分担させる形態に移った.本OSでは,端末から直接他のホストコンピュータの機能を利用するターミナルパススルー機能TCFや,オフィスコンピュータや端末上でホストコンピュータの処理の一部を行うクロスソフトウェアなどの提供により,分散環境でのソフトウェア開発を容易にした.