プログレスIIは,オフィス業務におけるさまざまな処理を簡単に書き表せる簡易プログラム言語である.1974年に発表されたMELCOM80モデル31のAOSに搭載された「プログレス」として始まり,その後1979年のDPSIIで「プログレスII」となった. “プログレス”は,「進歩したプログラム言語」であることと同時に,「プログラマーレス」という意味も含めて命名されている.
プログレスIIには,事務処理アプリケーションで必ず行われる一連の手順や定石をあらかじめ内蔵している.この内蔵した手順や定石を“処理サイクル”と呼ぶ.処理サイクルには,集計処理や帳票作成などのための“バッチ処理サイクル”と,伝票発行や問合せなど会話処理のための“ワークステーション処理サイクル”がある.この処理サイクルによってCOBOLの4〜5倍の生産性が発揮されたため,MELCOM80のアプリケーションの9割以上がプログレスIIで開発されたと言われている.30年前にプログレスIIで作成した業務プログラムが2009年現在でも動作している例は少なくない.まさに,三菱電機のオフコンの最も特徴的なプロダクトであると言える.図に,プログレスII記入シートの例とワークステーション処理サイクルを示す.