【東芝】 TP90Fシリーズ

1996年4月に東芝が発表したオフィスサーバ.従来のオフコンでは,モデルがいくつかあって,各モデルごとに筐体,CPU,HDDなどのタイプが決められていた.ユーザは,購入するモデルを決めると,CPUやHDDの数の追加や主記憶容量の大きさの選択などによって,用途に合った構成を組み上げていた.

TP90Fシリーズには,特にモデルが設けられているのではなく,筐体,CPU,HDD,HDDコントローラが各2種類ずつ準備されている.これにより,たとえば,小型筺体に高速CPUを組み込んでプリントサーバとして使用したり, 中型筺体に中速CPUを組み込んで通信サーバとして使用するなど,ユーザの用途に合わせた自由なシステム構築を可能とした.PCのネット販売で,後年多く行われるようになったBTO(Built-To-Order)のはしりであった.

また,1996年11月には,より簡単にシステム構築ができるように小型システム筐体にCPU,メモリ,HDDコントローラをあらかじめ内蔵したオフィスサーバTP90Fシリーズのエントリモデル(システム筐体Eタイプ)を発表した.これにより,TP90Fシリーズ共通のHDDの中から最適な容量のHDDを選択するだけで,部門サーバなどの小規模システムなどに向いたシステム構築が容易に実現できるようになった.

そのほかのTP90Fシリーズには,次のような特徴がある.

(1) 二重化構成のHDDを採用しており,稼働中のHDD交換が可能である.
(2) バックエンドサーバとしての利用では,マスタステーション(コンソール)なしでの運用を可能とした.
  中型システム筐体をベースとしたシステム 小型システム筐体をベースとしたシステム システム筐体タイプEをベースとしたシステム
CPU数 1〜4 1〜2 1
メモリ容量 16〜192MB 16MB〜144MB
HDD容量 1.05GB〜50.4GB 1.05GB〜42.0GB 1.05GB〜8.60GB
接続WS数 最大1024台
同時動作WS数 最大512台
通信回線数 最大40回線 最大32回線 最大26回線
外形寸法(mm)
(幅X奥行X高さ)
450×800×700 250×800×700 130×540×600

  
中型筐体のTP90F