各種OA機器の融合化・統合化の要望を受け1989年にOKIsystemA10/A100シリーズが発表された.これらのシリーズは,多様化するオフィスニーズに応えるため次の特徴を有している.
- (1)ネットワークシステムへの対応
- LAN等への接続を可能とし,下位モデルのA10シリーズやパソコンのif800RX,EXを
ワークステーションとして利用できる. - (2)主記憶装置・外部記憶装置の大容量化
- 主記憶装置がA10シリーズでは4メガバイトから最大20メガバイトまで,A100シリーズでは16メガバイトから最大32メガバイトまで拡張できる.外部記憶装置は増設ディスクを最大6台まで接続可能とし,A10シリーズでは最大1.9ギガバイト,A100シリーズでは3.5ギガバイトまでの大容量化が図られた.
- (3)通信機能の強化と回線数の増強
- 通信プロセッサに採用によりCPUの負荷分散を図ると同時にデータ転送能力を向上させ,
効率の良い通信処理を実現した.A10シリーズでは最大8回線,A100シリーズではでは最大48回線までサポートされている. - (4)パソコン用OA機器の搭載,RDBの採用
- OAツールとしてパソコンで活用されていた統合AP「BIGシリーズ」を移植・搭載している.BIGシリーズで作成したデータを,リレーショナルデータベースを介してCOBOLで参照できるため,柔軟なシステム構築を行うことができる.
- (5)生産性を重視した開発支援ツールの充実
- APソフトの生産性向上を図るため「CGR」(コボル・ジェネレータ)を搭載してる.パラメータを指定するだけで,COBOLソースが生成されるため,効率の良い開発が行えた.またCOBOLから利用可能なCRT,プリンタ,通信の各パッケージが用意されていた.
1989年に発売したOKIsystemA10/A100シリーズの機能強化を行ったモデルLXモデルを1992年に発表し発売を開始した.LXモデルは従来モデルと比べ,システム構築の容易性・拡張性への対応・高性能化に加え,低価格・省スペースパソコンのワークステーション活用が行える.主な特徴を以下に示す.
- (1)高性能化
- 全機種とも32ビットCPUを採用し,上位モデルのA10モデル70LX,A100モデル710LX,910LXは下位モデルのCPU性能比1.6倍を実現した.また各同等モデル間でのシステムスループットも1.2〜1.3倍の性能向上を図ったものであった.
- (2)システム構築の容易性・拡張性
- 全モデルとも国際標準プロトコルのTCP/IPをサポートし,10BASE2によるLAN構築が可能であった.これにより専用工事が不要となり,端末増設にも柔軟に対応できるようになった.またA10モデル70LXは,ワークステーション台数10台,A100モデル710LXは48台,モデル910LXは64台までの接続が可能で,システム規模の拡張性への対応が行えるものであった.
- (3)AXパソコン接続
- A10/A100のワークステーションとしてA10最下位モデルのモデル10,if800RX/EX/GXシリーズのほかにAXパソコンの接続が可能となり,ノートパソコン,ラップトップパソコンのワークステーション活用が行えた.
- (4)ファイル高速化
- A100シリーズではファイル高速化のために,オプションとしてディスク・キャッシュ(ライトバック式)を採用し,またデータベースの高性能化を図り,従来比(当社)で約3倍の高速化を実現した.
- (5)電源制御機能
- 自動立ち上げ・自動停止が行える自動電源ON/OFFをサポートし,タイマーセットによる無人立ち上げで,システムセットアップや処理終了に伴う計画的な自動停止を実現した.
システム | A10 | A100 | |||||||
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モデル | 30LX | 50LX | 70LX | 110LX | 310LX | 510LX | 710LX | 910LX | |
メモリ | 標準 | 4MB | 16MB | ||||||
最大 | 12MB | 20MB | 32MB | 80MB | |||||
磁気ディスク装置 | 標準 | 134MB×1台 | 270MB×1台 | 270MB×1台 | 290MB×1台 | 590MB×1台 | |||
最大 | 134MB×7台 | 270MB×7台 | 270MB×7台 | 290MB×6台 | 590MB×6台 | ||||
フロッピーディスク装置 | 標準 | 5inch×1台 | |||||||
最大 | 8inch×2台 | 5inchまたは8inch×2台 | |||||||
バックアップカセットMT | 150MB | ||||||||
通信回線 | 標準 | − | 24回線 | − | 24回線 | ||||
最大 | 4回線 | 8回線 | 16回線 | 48回線 | 16回線 | 48回線 | |||
ワークステーション接続台数(最大) | 6台 | 8台 | 10台 | 16台 | 24台 | 32台 | 48台 | 64台 | |
ワークステーション接続可能機種 |
OKIsystemA10, if800RX/EX/GXシリーズ If AXシリーズ(ノート,ラップトップ,デスクトップ) |
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ネットワーク構成 | イーサネット 802.3 (TCP/IP) |