沖電気は従来のオフスコンピュータOKITACsystem9の各シリーズの上位システムとして分散処理機能・オンラインネットワーク機能を大幅に強化したオフィスプロセッサOKITACsystem11シリーズを1986年6月に発表した.また,OKITACsystem9の低価格モデルとしてモデル450Sも合わせて発表した.
OKITACsystem11シリーズの主な特徴を次に示す.
- (1)高性能・大容量化
- OKITAC system9の最上位モデル750に対して,モデル1で3倍,モデル2で3.8倍(mips値比較)の処理能力を実現した.また,主記憶容量は標準で4メガバイト,最大で8メガバイト(モデル2)まで,外部記憶装置においても130メガバイトの固定ディスクを最大4台,1ギガバイトの固定ディスクを最大2台(いずれもモデル2)までの拡張が可能で,大容量化を実現したものであった.
- (2)最大24台のワークステーション接続が可能
- モデル1で最大16台,モデル2で最大24台のワークステーションが接続可能であった.また,専用ワークステーションのほかにオフィスコンピュータ(OKITACsystem9モデル350,450,450S,550),パーソナルコンピュータ(if800モデル60)との接続ができ,多彩なマルチワークシステムや分散処理システムが構築できた.
- (3)標準で16回線までの通信回線をサポート
- 標準システムでモデル1では8回線,モデル2では16回線の通信回線をサポートした.また,伝送手順としてBSCI〜IIIの各手順のほか,SDLC等も利用でき,50ビット/秒〜48キロビット/秒までの各種通信システムに対応した.
- (4)豊富な周辺装置が利用可能
- 低価格の日本語プリンタや高速日本語プリンタ,高速日本語ラインプリンタに3種類の選択が可能であり,そのほか磁気テープや2種類のキーボード(JIS配列,シートスライド)等が利用可能であった
- (5)基本ソフトウェア(OS)としてCROSIIを継承
- OKITACsystem9シリーズのOSであるCROSIIを継承し,分散処理システムやオンライン・ネットワークシステムの機能強化を図ったCROSIIIを採用し,OKITACsystem9シリーズの豊富なアプリケーションプログラムの利用を可能とした.
- (6)LANシステムの構築
- ローカルエリアネットワークシステムOKINET2000モデル20に接続することでLANシステムの構築を可能とした.
- (7)リレーショナル型データベースの実現
- リレーショナル型データベースの利用により分散データベースを構築できた.
システム | OKITACsystem11 | OKITACsystem9 | ||
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モデル | モデル1 | モデル2 | モデル450S | |
主記憶容量 | 標準 | 4MB | 1MB | |
最大 | 4MB | 8MB | 2MB | |
フロッピーディスク装置 | 標準 | 8inch 1MB×2 | 5inch 1MB | |
増設 | − | 5または8inch 1MB | ||
磁気ディスク装置 | 標準 | 130MB | 260MB | 20MB |
最大 | 260MB | 2.5GB | 20MB | |
磁気テープ装置(オプション) | 最大2台(記憶密度1600/800BPI,6250/1600BPI) | カートリッジ磁気テープ装置20MB | ||
CRTディスプレイ装置 |
14inch,英数カナ表示80字×25行,漢字表示40字×25行 発行色:グリニッシュイエロー,グリーン,カラー(7色)より選択 |
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キーボード | JIS配列もしくはシートスライド方式のいずれかを選択 | |||
日本語プリンタ |
PRKE型 漢字88(176)字/s,英数カナ264字/s PRKF型 漢字40(80)字/s,英数カナ120字/s LPKC型 漢字176(230)行/分,英数カナ230行/分 |
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ワークステーション(最大) | 16台 | 24台 | − | |
通信回線数 | 標準8回線 | 標準16回線 | オプション1回線 | |
ネットワークシステム |
分散処理システム, BSCI〜III,SDLC,JCA |
分散処理システム, LAN,BSCI〜III,SDLC,JCA |
分散処理システム, BSCI〜III |