日本電気は,1967年2月,世界初のIC採用による超小型計算機NEAC-1240を発表した.1961年発表のNEAC-1201以降,パラメトロン式超小型機は安定性と信頼性では優れていたが,性能の点で次第にトランジスタに劣ることが目についてきたので,1965年,信頼性も向上していたIC(集積回路)を採用した高性能な超小型機の開発に着手した.NEAC-1240はIC化と同時にこのクラスのコンピュータとしては初めてコアメモリを採用した.計算速度はNEAC-1210の200倍,記憶容量は最大1,600語で3倍を超え,外部記憶装置として大容量の磁気ドラムを2台接続でき,紙テープのスピードも速くなったNEAC-1240の性能は当時の超小型コンピュータとしては画期的なものであった.それでいてJECC登録のレンタル料は14万円/月であり,販売後10カ月で累計280台といったハイピッチの受注が続き,1970年6月に発表された,磁気ドラム装置,タイプライタの性能強化などの機能を強化したNEAC-1240Dとの2機種の累計で約1,430台出荷された.