1987年に発表された三菱電機のオフコンであり,高速処理テクノロジーの採用により,小型汎用計算機に匹敵する性能を実現した.
中央処理装置(CPU)には高速のバイポーラー32ビットVLSIプロセッサを使用するとともに,命令実行処理を数個のステージに分割し各ステージを並列に実行して性能向上を図るパイプライン制御方式を採用した.さらに,主記憶装置より数倍の速さで命令やデータを読み出せるキャッシュ・メモリを32キロバイト実装し,かつ,命令キャッシュとオペランド・キャッシュの2つに分割して,高性能化を図った.これにより,大量のデータベース処理や膨大な情報量を扱うイメージ処理にも高速に対応できるようになった.
主記憶装置も,最大32メガバイトとオフコンでは最大級であり,CPUの動的アドレス変換機構(DAT)と合わせて,大きなプログラムでも余裕を持って実行できた.固定ディスクも最大6.4ギガバイトまで増設できた.オフコンとしては初めて中央処理装置の演算回路を2重化し,演算処理を2つの回路で並行処理してその結果のつき合せチェックを行うことにより,信頼性の確保を図った.また,内蔵したサービス・プロセッサ(SVP)により,システムの制御と状態の診断,異常発生時の状況の表示と記録などを行うことにより,保守性,可用性を向上させた.