利用部門のちょっとした要望に対しても専門技術者にしか変更ができない.企業内でコンピュータを利用する裾野が広がるにつれて,このような不満が高まってきた.「プログラムレス」,ショッキングとも言えるキーワードで1989年に発表したADPS(アドプス)は,エンドユーザコンピューティングを最大のコンセプトとした.
プログラムは知らなくても,業務を理解している人ならば,その要求を簡単に記述できる言語「PS」を中核に,RDBアクセス,帳票作成等の事務処理の機能を誰でも使えるインタフェースにまとめ上げた.
PS言語の特長としては,
- (a)事務処理におけるデータ操作をパターン化して,それまでのプログラムの概念とは異なる簡単な指示で記述できる.
- (b)RDBとのやりとりを制御する機能を独立させ,内部レコードにファイルの制御指示情報をデータの一部として埋め込む構造を考案.
これにより,たとえば明細データを月次で集計するような一般的なデータ処理に置いて,「何がしたいのか」を指示するだけで済み,SQL等の専門知識はまったく不要になった.