【東芝】 分散処理計算機DP/6

1978年に東芝が開発した,ホストを選ばずに接続できるインテリジェント端末とマルチタスク型オフコンの両者の機能を持つコンピュータ.

1975年頃から始まった,マイクロプロセッサZ80を複数個使用した機能分散方式のインテリジェント端末開発と,それと並行して始まっていたマルチタスク型のオフコン開発計画を統合し開発された. 垂直分散(前処理や一部機能肩代わりと端末制御としての汎用機との間の分散処理)と,水平分散(ネットワーク接続された複数台のDPシリーズ間での分散処理)という2つの分散形態を可能とした.IBMが8100シリーズで分散処理をキーワードとして使用したが,国産では,DP/6が分散処理という概念を最初に提案した.

技術的には,内部で複数個のマイクロプロセッサを使用し機能ごとに専用のプロセッサを割り当てる機能分散,それぞれのプロセッサ用への制御プログラム(ファームウェア)のシステム立ち上げ時のダウンロード,COBOLプログラム実行に最適なCPU(16ビット)命令セットの実現,ネットワーク型DB搭載,ネットワーク上のファイル,コンピュータ資源をネットワークを意識せず利用可能とするDPNET,プログラミングと印刷/画面帳票形式の分離などの数多くの新しい試みが順次導入された.

DP/6は,以下のようにDPシリーズとしてラインアップが充実された.

1980年9月 DP/8
1981年9月 DP/4
1982年9月 DP/10
1983年9月 DP/OAターミナル,DP/2

一方,DPシリーズをベースにして,本格的マルチワークステーションオフコンとしてのシリーズが開発された.1979年には,TOSBACシステム15モデル60とTOSBACシステム65が,1982年にはTSOBACシステム45と85が発売された.

1984年10月に,CPUを32ビット化したDP/9080が発売開始されたのを契機に,翌1985年5月には,DP/9070,DP/9060,DP/9050,DP/9040,DP/9010のDP/9000シリーズとしてラインアップが一新された.


TOSBAC DP/6TOSBACシステム15モデル60TOSBACシステム65