公開日:2015年6月1日
最終更新日: 2023年8月23日
NAS-100は1997年に日本電気から納入が開始された郵便区分機である.郵便番号の7桁化に対応し,郵便物を配達する順番に並べる道順組立処理を採用した.下記,概要を表で示す.
新型区分機NAS-100シリーズ仕様概要項目 | 内容 |
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外形寸法 | 本体部 幅:17,895mm×奥行:1,395mm×高さ:2,000mm 《備考》 OCR(判別部) 幅:800mm×奥行:480mm×高さ:1,710mm×4架台(区分機本体内蔵) |
重量 | 6,800kg (OCR(判別部)含む) |
実行最大処理能力 | 郵便番号読取モード 50,000通/時 (はがきのみ) あて先住所読取モード 30,000通/時 |
処理対象 | 定形郵便物:長さ140~235mm,幅90~120mm,厚さ0.2~6.0mm |
読取対象 | 郵便番号(7桁) あて先住所(市区郡・町名・丁目・街区・番地・部屋番号) |
所要電源 | AC200V 3相4線式 |
消費電力 | 34KVA |
〔補足〕区分口数は,150口・200口・250口・300口・350口・400口タイプがある.上記仕様は,400口タイプのものである.
【郵便区分機の歴史】
1968年(昭和43年)に郵便番号3桁を読取り,あて先の郵便局ごとに仕分ける差し立て区分機を開発した.1980年頃からは,あて先ラベルなどに印字された郵便番号の読取も可能になり,手書き・印刷活字の混在郵便物の郵便番号の読取を実現した(NAS-80シリーズ).1989年には,独自に開発した多段弾性照合法と住所認識処理を駆使し,自由手書き文字によるあて先住所の読取を実現した(NAS-88シリーズ).さらに,1994年からあて先住所の細部まで読み取るため,一般学習ベクトル量子化法(GLVQ)や住所文字タグ法などによる高精度郵便OCRの開発をおこない,町名・丁目番地だけでなく,集合住宅名・部屋番号まで高精度に読み取ることが可能になった(NAS-100シリーズ).
《注》
多段弾性照合法:文字の方向特徴とぼかし・ずらしを活用し,動的計画法による伸縮整合を行う個別文字認識手法
一般学習ベクトル量子化法(GLVQ):文字や図形を識別するための文字認識辞書(標準パタン)を自動的に作成するための日本電気独自の手法
住所文字タグ法:文字・へん・つくりを基本単位とした文字切出候補と知識処理を用いた住所識別方式