【東芝】 OCR-V3050

従来機に比べて小型軽量化した汎用帳票OCRで,スキャナをデスクトップ,認識筐体をデスクサイドに配置できるようにしたものであり,OCR小型化時代への幕開けとなる製品の1つである.小型化したにもかかわらず,より乱雑に記載された文字や続け字を読み取ることができる.自由手書き文字認識の認識精度がさらに向上し,単語データベースを用いて誤読修正を自動で行う知識処理機能も一層強化された.さらにオプションとして手書き漢字を読み取る機能も備えることが可能で,この漢字認識機能の筐体もデスクサイドに配置できるような小型化がなされている.

これまでハードウェアで実現していた機能をMPU上のソフトウェアで実現することにより小型化したが,OCR-V3050では速度が要求される部分にハードウェアや専用ICチップを用いることで,認識速度や認識精度を犠牲にせずにこれを実現した.認識方式には「複合類似度法」に加え,文字の形状を詳しく調べる「輪郭構造マッチング法」が用いられた.ここでの「輪郭構造マッチング法」は従来版をさらに強化したもので,認識対象を英数カナ記号まで拡大し,認識性能を一層向上させた.この技術は主要認識方式の1つとして,これ以降,東芝の各種OCRに採用された.知識処理も主にカタカナと漢字認識用の機能としてこれ以降本格的に使用されるようになった.

OCR-V3050の基本仕様は次のとおりである.

  • 読取速度 30枚/分(A4,10行,30字/行)
  • 読取字種 手書き 英数カナ記号漢字,読取活字 JIS-OCRB 他
  • 読取帳票サイズ 74mm×52mm~364mm×305mm(縦×横)
  • スキャナ寸法・重量 480mm×650mm×320mm(幅×奥行×高さ),約50kg
  • 認識装置寸法・重量 200mm×800mm×700mm(幅×奥行×高さ),約50kg

  
OCR-V3050  

OCRの解説文では,一般社団法人電子情報技術産業協会発行の「OCRカタログ用語集(第2版)」の用語を使用しています.各用語の意味については,本用語集をご参照ください.