M2438形OCR装置の上位モデルとして,1981年3月に三菱電機が発表した製品で,14型ディスプレイや1MBのフレキシブルディスク装置を搭載するとともに,編集機能を拡充し,使いやすさと機能を向上させた機種である.
M2483-N形OCR装置は,次の特徴を持つ.
- 14型ディスプレイに,見出しや罫線を表示して入力帳票イメージでデータを表示し,入力データの修正や変更を容易にした.さらに,読取データのデュープや,登録データのエミット(固定データのセット)など,データ編集機能を充実させ,記入データの簡略化や,記入者の負担軽減を行った.
- 読取不能文字パターンは,従来はH/Wで直接画面に表示していたが,これをシステムメモリ内に取り込み蓄積することとした.これにより,読取不能文字パターン表示中に読取動作を中断する必要がなくなり,入力帳票の読取りと読取不能文字の修正とを並行動作させることができ,スループットを向上させた.
- スペクトルのピークが740nmの近赤外発光蛍光灯の開発により,ドロップアウトカラーが豊富になり,従来のレッド,ピンク,マゼンダ,オレンジに加え,パープル,バイオレット,セピア,ブラウン,ブルー,グリーンが使用可能となった.
- LSI集積技術の進歩により,従来512ビットのラインイメージセンサ4個で構成していた走査系を,2048ビットのイメージセンサ1個に簡素化した.これにより,レンズの視野が4倍になり,かつ,イメージセンサの画素ピッチが約半分となったため,焦点距離35mm,倍率0.1,画角40°,周辺光量比70%以上,歪率±0.1%以下の高性能レンズと,これを用いた高精度の光学系を開発した.
- 1行が81欄の帳票の読取りを可能とし,一般データのほかに,プログラムや設計データの入力が容易になった.
形式 | ページ式(多数行読取り) | ||
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帳票 | 大きさ | 通常帳票 | 89×89 ~ 364×297 mm |
81欄帳票 | 297×420 mm | ||
厚さ | 連量70~110kg | ||
紙質 | OCR用紙,上質紙(銘柄指定) | ||
読取文字種 | 手書文字 | 常用手書文字 数字,英字,カナ,記号(26種) | |
活字 | JIS OCR-B 数字,英字,記号(24種) | ||
旧 OCR-B 数字,英字,記号(21種) | |||
JIS OCR-K カナ | |||
407 数字 | |||
ドットプリント 数字 | |||
マルチフォント 数字(JIS OCR-B,旧JIS OCR-B,407) | |||
マーク | |||
読取文字数 | 通常帳票 | 手書文字 | 最大54字/行 |
活字 | 最大96字/行 | ||
81欄帳票 | 81字/行 | ||
読取行数 | 通常帳票 | 最大40行(1/3インチピッチ) | |
81欄帳票 | 25行 | ||
読取速度 | 通常帳票 | 最大37枚/分 | |
81欄帳票 | カード換算平均50枚/分 | ||
ホッパ | 300枚 | ||
スタッカ | アクセプトスタッカ 300枚 リジェクトスタッカ 300枚 |
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電源 | AC 100V±10%,50/60Hz,1.0kVA(基本構成) | ||
外形寸法 | 1,500(W)×1,270(D)×1,170(H) mm | ||
出力機器 | 標準:フレキシブルディスク(1MB) オプション:磁気テープ(JIS8単位/EBCDIC,800/1,600BPI) 紙テープ(JIS7単位+1パリティ,60字/秒) カードパンチ(26±2枚/分) 通信回線(1,200~4,800BPS,BSC方式) |