【富士通】 FACOM 6311A, FACOM 6311B

帳票処理のためのOCRである.特に手書き数字の高速読取りが特徴であった.光源として赤色レーザが使用された(注1).FACOM 6311Aは1975年6月,FACOM 6311Bは1975年10月に発表された.

FACOM 6311A/Bは,レーザ光源,高速振動ミラー,行選択ミラーからなる走査光学系と,読取り帳票を巻きつける回転ドラムとの組合せにより,多数行の読取りを実現し,1つのセンサで手書き数字を読み取ることができた.1分間に最大300枚の読取りが可能な,当時としては非常に高速な処理能力を持つ装置であった.FACOM 6311Bはチェーンストア百貨店協会統一伝票が処理可能であり,大型スーパーなどに多く導入された.

(注1)OCRの光源としては蛍光灯,ハロゲンランプ,LED等が使用される.レーザ光源はOCRとしては稀であり,同社の以降のOCR製品でも用いられていない.


  
FACOM 6311A  

OCRの解説文では,一般社団法人電子情報技術産業協会発行の「OCRカタログ用語集(第2版)」の用語を使用しています.各用語の意味については,本用語集をご参照ください.