【日立】 H-8257/8957形 光学文字読取機

H-8257/8957形 光学文字読取機は,高速・集中処理を目的とする一般用途向けの高性能・汎用OCRであり,非常に困難とされていた手書き英数字の読み取りを世界で初めて可能にした.H-8959形 OCRの上位機種であり,通商産業省(当時)の補助金を受けて開発された.H-8257形は,HITAC 8000シリーズ電子計算機に直接接続されるオンラインタイプで,H-8957形は,読み取った結果を磁気テープ装置に出力するオフラインタイプのOCRである.

手書き文字は,書く人や書かれる条件で複雑に変化することから実用化は難しいとされてきたが,特殊なマッチングで文字の類似性を把握する手法を開発し,簡単な書き方規則を守り,比較的正確に書かれた文字であれば,実用的な読み取り精度が確保可能となった.ハガキ大の大きさからA4サイズの帳票まで取り扱え,同一行に手書きと活字の混合が可能などオリジナル帳票に近い帳票設計が可能となった.人手を要する読み取り結果の確認処理を,読み取りと並行して行う即時修正に加え,全帳票読み取り後に一括して行える一括修正機能を搭載している.

また,本OCRの応用システムとして,日立フォートランリーダを完成した.手書きのフォートランプログラム(データを含む)を自動的に読み取り,計算機へのデータ入力を大幅に改善することができる.

H-8257/H-8957形 OCRの諸元
読み取り文字 OCR-A・Bフォント(英数字),407フォント,12Fフォント,N-2フォント
手書き英数字および記号計46文字
取り扱う帳票 長さ95~305mm,幅75~220mm,厚さ0.1~0.18mm(70~135kg紙)
処理速度 最大400枚/分(95mm×75mmの帳票1行読み取りの時)
発売開始時期 1974年


  
H-8257/8957形 光学文字読取機
(世界初の手書き英数字読取りを実現した汎用OCR)
  

OCRの解説文では,一般社団法人電子情報技術産業協会発行の「OCRカタログ用語集(第2版)」の用語を使用しています.各用語の意味については,本用語集をご参照ください.