スーパーミニンピュータOKITAC8300は32ビットアーキテクチャによる高性能化,メモリ空間の拡張(64メガバイト),仮想記憶,マルチタスク,マルチユーザ,ネットワーキング,データベース,オンライントランザクション処理を装備したものであり1988年に発表された.
当時の1980年代の半ばは,ホストコンピュータを中心にSNAによる垂直分散するクローズしたシステムから,ネットワークの進歩やパソコンの台頭や多様な業務のコンピュータ化により,開放型水平分散システムに移行していた時代であった.OKITAC8300はまさにこれらに応えるべく開発されたものであった.
OKITAC8300のハードウェアは,専用CMOS LSIで3.5MIPSのプロセッサと後に5MIPSのマルチプロセッサ,64メガバイトの主記憶装置,大容量な外部記憶装置,多様な通信制御,各種のRAS機能や2重化機能を装備し,小規模なホストコンピュータや部門コンピュータ,各種サーバとして活用された.
また,OKITAC8300シリーズは6モデル取り揃えられ,主に中・大規模システム用のキャビネットタイプ(モデル38,58,68)と,主にオフィス向けの小・中規模システム用のデスクサイドタイプ(モデル32,52,62)がシステムの規模,将来の拡張性・設置条件などにより選択された.
モデル32 | モデル38 | モデル52 | モデル58 | モデル62 | モデル68 | |
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発表時期 | 1988年7月 | 1990年10月 | 1991年10月 | |||
CPU | 自社独自32bit専用CMOS LSI | |||||
記憶容量 | 16MB〜32MB | 16MB〜64MB | 16MB〜128MB | 16MB〜256MB | 16MB〜128MB | 16MB〜256MB |
記憶素子 | 1MbitDRAM | 1Mbit/4MbitDRAM | ||||
メモりアクセス幅 | 16B | 32B | ||||
サイクルタイム | Read 560n秒/16B | Read 780n秒/32B | ||||
Write 560n秒/16B | Write 520n秒/32B | |||||
命令数 | 219 | |||||
アドレス空間 | 3GB(論理空間) | |||||
キャッシュメモリ | データ32KB 命令32KB | 256KB | ||||
パイプライン | 4段 | 7段 | ||||
通信回線 | 最大32回線 | 最大256回線 | 最大32回線 | 最大256回線 | ||
LAN | OKINET2000/20(IEEE802.3準拠),IEEE802.5 | |||||
パッケージ実装可能数 | 12スロット | 36スロット | 12スロット | 36スロット | 12スロット | 36スロット |
筐体タイプ | デスクサイドタイプ | キャビネットタイプ | デスクサイドタイプ | キャビネットタイプ | デスクサイドタイプ | キャビネットタイプ |