【沖電気】 OKITACsystem50V

OKITACsystem50の後継機として1982年にOKITACsystem50Vが発売された.OKITACsystem50Vの特徴は,論理空間が32メガバイトまで拡張,記憶容量は最大4メガバイト,キャッシュメモリの搭載と処理能力を大幅に向上させたものであった.

モデル15は,本シリーズ中で最下位に位置付けられ,1チップ高性能高集積のマイクロプロセッサを使用し,かつその周辺もLSI化した小型,低価格,小規模システム向けのモデルであった.
モデル45は,各種LSI,VLSIを駆使して小型,軽量化を図り,高性能ながら本シリーズの中位に位置付けたものであった.

モデル65は,本シリーズでの最上位のモデルであり,多数のLSIを使用して高性能,高機能を実現した大規模システム対応のスーパーミニコンであった.
また,オペレーティングシステムはRDOS(Real Time Disk Oriented System),RFOS(Real Time Floppy disk Oriented System),RMOS(Real Time Memory Oriented System)の3種類があり,さらに,2重化による高信頼性システムを構築,日本語処理も提供した.

OKITACsystem50Vモデル諸元
  モデル15 モデル45 モデル65
発表時期 1982年5月 1983年5月 1982年5月
CPU MOS系VLSI 1チップ MOS系VLSI
バイポーラ系LSIの併用
MOS系VLSI
バイポーラ系LSIの併用
記憶素子 256K nMOS IC
サイクルタイム 800n秒/2B 625n秒/4B
データ形式 16bit+6ECC 32 bit +7ECC  
記憶容量 256KB〜2MB 512KB〜4MB 512KB〜8 MB
キャッシュメモリ 16KB
論理アドレス空間 32MB
命令数 基本命令73,オプション命令34
演算速度*1 固定小数点加減算 1.2μ秒 固定小数点加減算 0.39μ秒 固定小数点加減算 0.25μ秒
浮動小数点加減算 16.0μ秒 浮動小数点加減算 1.90μ秒 浮動小数点加減算 1.75μ秒
レジスタ 16ビット汎用レジスタ8個,32 bit浮動小数点レジスタ2個,
16ビット制御用レジスタ8個,16 bit拡張制御用レジスタ8個
CPU各種機構 基本実装機構 割り込み機構,タイマ機構(2個),記憶保護機構,自動再スタート機構,IPL機構
送風異常検出機構,電源異常検出機構
浮動小数点演算機構 付加
10進演算機構 付加
温度異常検出機構 付加
メモリバックアップ 付加    
2重化インタフェース 付加
高速DMA 2.4MB/S
その他 入出力装置接続台数 1,024台(最大)

OKITACsystem50Vモデル15(CPU)OKITACsystem50Vモデル45(CPU)OKITACsystem50Vモデル65